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青湾茗醼図誌(せいわんめいえんずし)
最初の公開 2011-6-30 最新の更新 2013-5-17
山中吉郎兵衛編『青湾茗醼図誌』明治9年(1876)刊 、4冊本。
奥付に「明治九年一月出版/原版人 大阪府平民 山中吉郎兵衛/明治十三年十月二日御届/同 十四年二月 出版/
翻刻人 東京府平民 長尾銀次郎/京橋区南伝馬街/壱町目十一番地」
明治7 (1874) 年11月に催された青湾茶会の図録である。
その「魁」の巻に載せる「第十一席」をここに紹介する。
- 「醼」は「酉」の右横に「燕」。エン。「さかもり」の意。ネット検索では「青湾茗えん〜」「青湾茗エン〜」でもヒット。
- 4冊のそれぞれは「青湾茗醼図誌 瑞」「青湾茗醼図誌 草」「青湾茗醼図誌 魁」「青湾茗醼書画展観録 全」。「瑞草魁」は杜牧の漢詩「題茶山」の詩句「茶称瑞草魁」にちなむ。
- 山中吉郎兵衛(やまなか きちろべえ 1847-1917)、名は岩次郎。大阪出身の古美術商。欧米にも支店を出した山中商会の社長。ニューヨークに支店をもうけるなど海外にも進出した。「山中篁堂」として、煎茶道の世界でも有名。
- 参考論文:
佃一輝「文楽・植村霞亭の茗筵を読む ──明治煎茶好事家の文人趣味」,『野村美術館研究紀要 第16号』,pp36-53,平成19年(2007)3月10日
山本真紗子「美術商山中商会―海外進出以前の活動をめぐって―」
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/ce/2008/ym01.pdf
第十一席 明清楽 平井連山 長原梅園。
中国人が寄せた文章。
「甲戌、余、浪華(なにわ)に遊ぶ。適(たまたま)山中大雅君の清湾品茶の会に赴く。
諸多逸韻、未だ尽く言及すべからず。
其の糸竹管絃の具は、悉(ことごと)く是れ唐宋元明の器なり。
蓋(けだ)し遊人、拭目して珍賞して已(や)むこと無し。
ああ、何ぞ其れ宝を獲(う)ることの多くして且つ美しきかな。
故に数言を録して以て其の事を識(しる)すと云う。大清同治十三年 広東龍隼山人 伯乾 梁文玩」
甲戌=1874年=明治7年=同治13年
「明清楽合奏曲名」と「清唱楽器品目」。
「第八席」より
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