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mononoaware もののあわれ

Last updated 2019-3-20 Since 2019-3-20

世界大百科事典 第2版の解説
もののあわれ【もののあはれ】
 言葉としては10世紀半ば平安中期ごろから用いられ,《源氏物語》には12例を見る。当時の生活意識上の一規範であった。もともと〈あはれ〉は感嘆詞の〈ああ〉と〈はれ〉とがつづまった語であり,また〈もの〉は古くは神異なもの,あるいは霊的存在をさす語であったが,中古には漠然と対象を限定しない形式語となった。〈もののあはれ〉の語はそうした漠然とした主観的感情をさらに客体化し,対象として捉え直したものといえよう。
cf.「あっぱれ」(天晴れ。Well done! Splendid!)は、「あはれ」の促音化から生まれた語。古語の「あはれ」は喜怒哀楽のどれも表現したが、近世以後の日本語では、すばらしいと感嘆するときは「あっぱれ」、悲哀の慨嘆を述べるときは「あわれ」、と使い分けるようになった。

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