mononoaware もののあわれ

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世界大百科事典 第2版の解説 もののあわれ【もののあはれ】 言葉としては10世紀半ば平安中期ごろから用いられ,《源氏物語》には12例を見る。当時の生活意識上の一規範であった。もともと〈あはれ〉は感嘆詞の〈ああ〉と〈はれ〉とがつづまった語であり,また〈もの〉は古くは神異なもの,あるいは霊的存在をさす語であったが,中古には漠然と対象を限定しない形式語となった。〈もののあはれ〉の語はそうした漠然とした主観的感情をさらに客体化し,対象として捉え直したものといえよう。 |