アコーディオンの小部屋
KATO's accordion room.

マイ・アコーディオン紹介
MY SQUEEZE BOXES

 私のアコーディオンを紹介します。
 プロがバリバリ弾くような、高級なアコはありません。
 古くて使用感のある楽器ばかりです。(^^;;
 でも、小生にとってはどれも思い入れのある愛器であります。
 このページはまだ工事中です。今後、写真と文章を追加してゆきます。
Now, I show you my squeezeboxes. I love them because each of them is unique, although they are not expensive.
2007.11.14  最新の更新 2007.11.29

Excelsior   Bastari concertina   Tombo 21bass   Empipe State   Tombo Lirico   Tombo Scala
Settimio Soprani   Hohner Erica   Chinese diatonic   Yamaha diatonic   Tombo Olympic
Tombo Olympia   Frontalini 120bass   Tombo 18bass

Excelsior No.302: A compact accordion equipped with 120 bass buttons. This Italian accordion was made as the special model for exporting to Japan in 1960s〜70s.
 コンパクトなボディに120ベースを装備。イタリア製ながら日本人にピッタリの傑作アコ!

 Excelsior No.302。イタリア製。
 1993年、小生が最初に入手したアコです。その後、ずっとメインで使っています。
 エキセルシャーは、音色にも、鍵盤のタッチにも、クセがありません。飛行機で例えると、昔の「ゼロ戦」のような多用途万能機、という感じです。
 また、コンパクトなサイズなのに、このNo.302は、ペースボタンが120あります。
 楽器が軽く、蛇腹の空気容量が小さいぶん、メリハリが利いた演奏がしやすい。音量も十分です。
 聞くところによると、そもそもこのNo.302は、1960年代から70年代初めごろ、日本向け輸出の特別仕様としてイタリアで作られたもののようです。
 当時は、楽器に限らず、国産品育成の見地から、外国製品の輸入にはいろいろと制限がありました。
 アコーディオンについても、貿易の自由化が進んだ今日では考えられないことですが、国産品を保護するため、当時の日本国内の楽器店では、外国製のアコーディオンの輸入販売は大型の機種に限る、という自主規制がありました。
 つまり、大型の高級なアコーディオンはヨーロッパから輸入することを認めるが、軽量小型のアコは国産品を優先販売する、という風潮が当時の日本にはあったのです。
 まあ、自動車も牛肉も株も、国産品が手厚く保護されていた「古き良き時代」でしたから(^^;;
 とはいえ、当時の日本人のアコ愛好者のあいだでは、ヨーロッパ製の軽量小型アコを弾きたい、という強い欲求がありました。
 そこで、日本の某楽器店が、裏技を考えました。イタリアのアコ生産業者に特注して、軽量小型ながら120ベースを備えた日本向け仕様のアコを生産してもらい、それを輸入することにしたのです。
 いわば、一種のカモフラージュです。
 これが怪我の功名で、実に使いやすいアコが生まれました。
 小型アコの限られたスペースに120個もベースボタンを埋め込むと、ボタンどうしの間隔が狭くなり、欧米人の太い指では弾きにくい。
 逆に、日本人の手のサイズには、ピッタリあっている。
 1980年代以降、自動車もアコも輸入の自由化が進み、外国製の小型機種も日本で手軽に買えるようになりました。
 カモフラージュの必要がなくなったため、この日本向け特別仕様の、120ベース装備の小型機種も、製造終了になりました。
 エクセルシャーNo.302は、今でもときどき中古アコ市場でよく出ますが、すぐに売れる人気の高い機種となっています。
Bastari 40 button anglo-concertina:A miracle instrument! This concertina is very light.You can take it up only by your single finger. However, the ability of this instrument is very nice.Click here.(RealOne Player)
 小指一本で持ち上げられる軽さでありながら、オルガン並の演奏能力をもつ驚異の楽器

 Bastari 40 button anglo-concertina。
 コンサーティーナは、バンドネオンと同じく、アコーディオンの「おじさん」筋にあたる蛇腹楽器です。
 日本ではあまり普及していませんが、欧米の民俗楽器ではよく見かけます。日本でも、アイリッシュ音楽の愛好者のあいだでときどき演奏者を見かけます。
 そのため、アイリッシュ専用の楽器と誤解している人がいますが、コンサーティーナは、もちろんアイリッシュ専門の楽器ではありません。バンドネオンがタンゴ専用の楽器でなく、ウクレレがハワイアン専用の楽器でないのと、同様です。
 また一口にコンサーティーナと言っても、押引異音のダイアトニック式、押引同音のクロマチック式など、さまざまなタイプがあります。
 実に奥が深い楽器です。
 小生の愛機は、イタリアのバスターリ社製の40ボタンの押引異音式です(アングロ・コンサーティーナ)。1993年に購入、価格は新品で約7万円でした。
 本格的なコンサーティーナは、職人の手作りで、五十万円〜百数十万円くらいします。それにくらべると、小生のコンサーティーナは、内部構造も部品の質もくらべものにならない普及品です。
 手作りのコンサーティーナの味わいを「バター」とするなら、この普及品の味わいは「マーガリン」でしょうか。
 しかし、マーガリンの味が、一概にバターに劣るとは、単純に言えません。普及品とはいえ、40個もボタンがあるので、かなり面白い演奏が楽しめます。なにしろ、わずか1キロ半の重さなのに、伴奏つきで旋律が演奏できるのです。
 例えば、宮崎アニメの主題歌も、だいたい弾ける。
 こんな楽器は、ちょっと他にありません。19世紀の西洋の機械工学が生んだ、傑作の楽器の一つです。
 まだ若かったころは、よく「青春18きっぷ」で、このコンサーティーナを肩からかけて、あちこち旅行に行ったりしました。軽くてコンパクトなので、運ぶのも苦になりません。それで、途中下車して、その町の音楽喫茶などでチョっと飛び入りで演奏したりしました。
 今思うと、恥ずかしいですが・・・(^^;;
 2007年4月、NHK教育テレビで放送した「知るを楽しむ・歴史に好奇心」に小生が出演したとき、野外ロケ(東京都中野区の哲学堂公演)で小生はこのコンサーティーナで「宮さん、宮さん、お馬の前に・・・」を弾きながら、公園内を練り歩きました。
 同テレビの中では、「コンサーティーナ」という単語を知っている視聴者がほとんどいないであろうことを考慮し、あえて「アコーディオン」と称しましたが・・・・・・。
 ともあれ、「楽しい器」という意味での楽器を体験してみたいのなら、一度はチャレンジしてみる価値のある楽器だと思います。
 ちなみに、演奏の動画はこちらをクリック(ソフトはRealOne Playerです)。
Tombo No.211:A Japanese accordion. I found that the sound of this accordion is suitable for playing Irish and Celt music in sessions at Irish pub!
 純国産の小型軽量アコ。意外にアイリッシュ音楽でもいける!

 Tombo No.211。日本製。
 211とは「21ベースの1番目のモデル」の意です。
 1980年代以降は、有名なアコのメーカーでも、価格競争で生き残るため、生産行程の一部を人件費の安い国(東欧や中国など)に移しているところも増えています。
 しかし70年代までは、日本でもヨーロッパでも、有名なメーカーは、自分の国で、職人芸のようにアコを作っていました。
 このトンボNo.211は、1960年代のモデルです。高級機種ではありませんが、昔の日本製品の常として、しっかり作ってあります。
 ただし古い機種なので、いろいろ制約は覚悟しなければなりません。メーカー(トンボ楽器)の部品保存義務期間が過ぎているため純正品の部品による修理が難しい。昔の機種なのでそもそもリードの調律が低めである。リードが錆びてたり皮がいたんでたり楽器内部の経年劣化が進んでいることが多い。・・・・・・等等。
 また、ベースボタンが21しかないというスペックは、やや物足りません。
 とはいえ、鍵盤の弾き心地も、ボディの軽さも、このクラスの楽器としては申し分ありません。
 これは私個人の主観にすぎませんが、意外にも、程度のよいTombo No.211でアイリッシュ音楽(ケルト音楽)を弾くと、とても雰囲気がでるような気がします。
 中古市場でもNo.211はよく出ますが、なにぶん古い機種なので、保存状態はピンキリです。購入の際は、慎重に選ぶ必要があります。
Empi"p"e State:A vintage accordion. The sounds is like a honky-tonk music in old movie films. I like it!
 アメリカ製? 西部劇の酒場に出てくるようなホンキートンクな音色のアコーディオン。
 よく西部劇の安酒場のシーンで、調律が狂った「ホンキートンク・ピアノ(Honky-Tonk Piano)」が、出てきます。
 このアコーディオンは、まさに、そのアコーディオン版。
 ビンテージ・アコーディオン(vintage accordion)、というより、ホンキートンク・アコーディオンといった感じです。
 とにかく音がでかい。リードはよく鳴ります(調律してもらいました)。でも、古いせいもあって、鍵盤はガタガタ。
 合奏のときに使ったら、きっと、他の楽器奏者のヒンシュク(顰蹙)を買うことでしょう。
 でも、私はこの楽器の個性が好きです。
 アイリッシュの名曲「Green Fields of Glentown」を独奏するには、音色といい、音量といい、鍵盤のタッチといい、ちょうどよいアコです。
 製造年代もメーカーも不明です。エンブレムには、エンパイ「プ」(EMPIPE)ステート、とあります。エンパイア・ステート(EMPIRE STATE)、ではありません。これは一種の「ごあいきょう」なのでしょうか?
 製造年代は不明ですが、ライヤー(lyre。古代ギリシャの竪琴)をかたどった鍵盤部両脇のふくらみのデザインや、経年状態から見て、ひょっとすると1950年代ころのアメリカ製かもしれません。
 実はこの楽器は、故・金子元孝先生から、生前にいただいたものです。ハナ肇(1930-1993)が映画の中で、金子先生からこのアコを借りて弾いたそうです(実際には中のリード部分をはずして、弾くまねをして撮影したそうです)。
 いろいろいわくのある楽器でもあり、今後、大切に──壊れないていどに烈しく、弾いてゆきたいと思います。
Tombo Lirico:A vintage accordion made in Japan in 1930s."Art Déco" style. Rare model.
 上品な音色の、昭和初期のビンテージ・アコーディオン。
 Tombo No.100 Lirico(リリコ)。
 1930年代、戦前の国産アコです。
 古代ギリシャの竪琴(ライヤー)をかたどった鍵盤部両脇のふくらみのデザイン、角張ったボディ形状、アール・デコ(Art Déco)調の装飾など、ビンテージ・モデルならではの美しいアコです。
 リードは、当時北欧から輸入した高級品を使っています。この「リリコ」という機種は、もともと生産台数が少なかったうえ、戦災などで失われ、現在でも弾けるものはまれです。
 そのレアな一台がこれ。わずか18ベースという小さなアコながら、ていねいに作られています。
 昭和初期の日本は貧しい国でしたが、粗悪品ばかりでなく、こんな繊細なアコも作れたのです。もしあの戦争さえなかったら、その後の日本は、どんな国になっていたろうか──と、思わず昭和の歴史をふりかえってしまうようなアコです。
 この楽器で思い出すのは、調律師の故・渡辺節男さんのことです。
 小生はいつも古い安物のアコの調律ばかりお願いするので、渡辺さんは苦笑するのが常でした。しかし、このリリコに限っては、渡辺さんはとても良いアコだと評価してくれました。
 渡辺さんの調律と修理のおかげで、人間で言えば老人の年齢であるこのリリコは、21世紀の現在でも「元気」です。のみならず、他のアコとは別次元の、まるでタイムマシンの向こうから聞こえてくるような、なつかしくも新鮮な音色を奏でてくれます。
 このアコも、今後、細く長く、大事に弾いてゆきたいと思います。
Tombo Scala:A vintage accordion made in Japan in 1930s.
 昭和初期のビンテージ・アコーディオン。
 Tombo Scala(スカラ)。
 鍵盤部には音色切り替えスイッチがあり、MMと、MMLを選択できます。
 Scalaは、上記のLiricoに比べると大型ですが、楽器のグレードとしては、製造当初からLiricoより下だったかもしれません。
 右手の鍵盤は、黒鍵の幅が狭いため、現代日本人の手のサイズではちょっと弾きにくいです(慣れれば問題ありませんが)。
 ベルトのサイズも、オリジナルの皮ベルトは戦前の日本人の体格にあわせているため、身長174cm・体重80+αキログラムの私には、かなりきつい。
 80ベースというスペックは、現代では中型ないし小型アコですが、戦前の日本では大型のアコーディオンでした。
 これは楽器に限らず、戦前の国産品はみなそうでした。例えば、戦前の日本の「重爆撃機」「中戦車」のスペックは、当時の欧米の「軽爆撃機」「軽戦車」に相当しました。
 戦艦大和のような例外もありましたが、戦前の日本人は体格が小さかったので、楽器も兵器も、欧米より二回りくらい小さく作ったのです。
 逆に言えば、「ゼロ戦」が欧米の重戦闘機相手に善戦できたのも、当時の日本人の身丈(みたけ)にあわせて軽く小さく作ったからでした。
 日本でも、KORGの創設者の一人でもある長内端(おさない・ただし)氏が、120ベースを「スタンダード・アコーディオン」と豪語(当時の日本として)したころから、大型のアコが普及しはじめました。
 特に、日本が好景気を謳歌した1980年代には、ヨーロッパの高級大型機種が、かなり輸入されました。女性奏者でも重さ十数キロ、アマチュアでも価格百万円以上の輸入アコを弾く姿が、珍しくありませんでした。
 若くて元気なときならまだしも、中高年になってからもアコを弾くことを考えれば、外人サイズの重いアコばかり弾くのは、きついかもしれません。
 皮肉なことに、体格の良い欧米のプロ奏者には、軽くて小さいアコを弾きこなす名手が少なくありません。筋力のある若い外人奏者が小さいアコを弾くと、空気圧に関する物理法則「パスカルの法則」も手伝って、すばらしくレスポンスのよい、メリハリの効いた演奏が可能です。
 話がずれてしまいましたが、Scalaは、日本人とアコの関係について考えさせる楽器です。
Settimio Soprani,made in Italy.
 中国で購入したイタリア製アコーディオン。
 Settimio Soprani(セッティミオ・ソプラーニ)。80ベース。
 古き良き時代の、おしゃれなモデルです。
 右手のリードは、MML。左手のベースの音色切り替えスイッチは、二種類。
 この楽器は1997年ごろ、北京で中古品を購入しました。当時の価格で約5千円くらいだったと記憶しています。
 日本に持ち帰ったあと、専門店で調整してもらいました。
 古い楽器ですが、作りはかなりしっかりしており、問題なく弾けます。
 左手のベース部分の音色は、音色切り替えスイッチによって、重厚な音色と、軽い音色の二種類が選べます。
 軽い音色は、高音と低音のリードの両方がピリピリと鳴り、かわいらしい音色です。
 私にとって海外旅行の楽しみの一つは、旅先で思わぬ楽器と出会えることです。
Hohner Erica C/#C:A diatonic button type accordin made in German.
 ボタン式アコを弾く楽しさを知らない人は不幸かも。
 Hohner Erica C/#C
 鍵盤式アコーディオンより古くからあるのが、ダイアトニック式(押引異音式)のボタン・アコーディオン。
 オモチャのようなものから、プロ奏者が弾く高級機種まで、ラインアップも豊富。あなどりがたい楽器です。
 小型なうえ、押引異音式なので、メリハリのある演奏が容易。空気のフワフワ感を手や指でしっかりと感じながら、音を出す楽しさを満喫するには、ダイアトニック式のほうが一日の長があるかもしれません。
 世界のダイアトニック式のなかでも、ホーナー社の「エリカ」は、世界各地の民俗音楽で最も普及している機種の一つです。高級機種ではありませんが、アマチュアからプロまで、幅広く使われている楽器です。
 右手のボタンは二列。この楽器はC/#Cチューニングです。外側の列のボタンはC調、内側が#C調。というわけで、半音もすべてカバーしています。
 このほか、エリカには、さまざまなチューニングのものがあります。
 私が好きなアイリッシュ音楽で使われている二列のダイアトニック・アコは、B/CとかC#/Dが多く、この機種とチューニングが違うのはちょっと残念です。
A Chinese diatonic C/G accordion. I baught this in Beijing(Peking).
 低価格でそれなりに弾ける、中国製ノーブランドのダイアトニック式アコ
 ブランド名無し(不明)。C/G
 中国の首都・北京のデパートの楽器売り場の片隅にポツンとあった、ダイアトニック・ボタン式アコです。2000年ごろ購入。
 とにかく値段が安い。中国国内ではダイアトニック・アコを弾く人間は少ないので、たぶん輸出用なのかもしれません。
 ヨーロッパでも、初心者や入門者は、価格が手ごろな中国製を使っている人が多いようです。
 なにぶん入門機種なので、蛇腹を押し引きしたときのレスポンスも大味です。か細くて小さい音が出ない。強く蛇腹を押して「ブー」という音を出すしかない(^^;; たとえて言うと、太いクレヨンやパステルで細密画を書くようなもどかしさはあります。
 とはいえ、アコという楽器の出発点である「良い意味で、本質的に安直な楽器」という意味では、面白い機種ではあります。
 あと、C/Gチューニングなので、左手のベース・ボタンも活用して、それなりにハーモニックな曲を弾くことができます。
 「リリー・マルレーン」なんかを弾くには、良い楽器です。
Yamaha diatonic C/#C accordion. It's like a toy. Perhaps made in 1960s.
 レトロなおもちゃ感覚、ヤマハのダイアトニック式アコ
 日本では、今でこそアコーディオンと言えば鍵盤式を指しますが、昔はダイアトニック式のボタン・アコーディオンのほうが普及していました。
 なんといっても、小型軽量で軽く、演奏法もわりと簡単だからです。
 このヤマハの二列ボタン式は、C/#C配列で、半音もカバーしてます。
 本体はプラスチック製(ベークライト?)で、蛇腹もビニール。音色は、推して知るべしです。
 まあ楽器というより、半ば玩具のような感覚です。
 製造年等は不明ですが、見た感じでは、昭和30年代ころかもしれません。
 骨董品として購入しました。オリジナルの木製の箱もついていました。
 安い国産品の木製のダイアトニック式ボタン・アコの場合は、蛇腹(布製や紙製が多い)は穴があき、本体も虫が食ったりして、現在では楽器としては弾けず骨董的価値しかないものが多い。
 しかしこのプラスチック製の玩具的なダイアトニック・アコは、合成樹脂であることが逆に幸いして、今も問題なく音を出すことができます。
Tombo "Olympic", an old diatonic accordion, made in Japan,1930s.
 幻となった東京オリンピック(1940)にちなんだダイアトニック・アコーディオン。
 1936年、第12回国際オリンピック競技大会を1940年に東京で開くことが決まりました。
 当時の日本国民は、歓喜に湧きました。
 その幻のオリンピックの記念に作られたアコーディオンが、これ。
 白い木製のボディに、五輪旗の色をかたどった一列のボタン。ボタンの音階は、Eメジャーです。
 しかし1937年に日中戦争が勃発しました。
 すぐ終わると思われた戦争は、翌年には長期化の様相を呈してきました。
 戦争中なのに、オリンピックどころではない。ということで、日本の国内外から、東京オリンピック開催の中止を求める声があがりました。
 結局、日本政府は1938年に開催権の返上を決定しました。  こうして、1940年のオリンピックは幻となったのです。
 このアコーディオンは、失われた平和の記念品でもあります。
 実際に東京オリンピックが実現したのは、1964年のことでした。
Tombo "Olympia", an old "chromatic" accordion (push-and-pull), made in Japan,1930s.
 戦前の国産2列ボタン・アコーディオン。

 この「オリンピア」は、上記の「オリンピック」と同時期に作られた2列のボタン・アコーディオンです。
 ボディに「クロマチック・アコーディオン」と書いてあります。
 通常、この呼称は、押引同音式のボタン式アコに使われます。
 しかしこの「オリンピア」は、押引異音式(ダイアトニック式、すなわちプッシュ・アンド・プル式)のアコです。二列のボタン列は、外側の列がC調、内側の列がC#調にチューニングされており、それぞれ半音ずつずれているので、楽器全体としては半音階も網羅しています。
 なおアコーディオンのつづりは、英語式のaccordionではなく、フランス語風にaccordeonと書いてあります。
 骨董品として、オリジナルの箱つきで購入しました。
 音は出ますが、残念ながら、蛇腹に穴があいており、また陥没したままのボタンもあるため、修理しないと曲は弾けません。
 いつか自分の手で皮をはりかえ、ボタンも直したい、と思いつつ、いまだに果たせていません。
Frontalini 120 bass accordion.
蛇腹の空気の量は充分。フルサイズのアコ。

 イタリアのフロンタリーニ社製。1993年に中古品を10万円で購入。
 鍵盤部の音色切り替えスイッチは、MMとMML。
 主に自分の職場(広島大学の研究室)に置いて、放課後とか、あるいはたまに授業のときに教室で学生さんたちの前で弾いたりしました。
 2006年秋、広島から東京に引っ越すとき、記念に知人にあげました。
 今頃は広島の空の下で弾かれているかも・・・
Tombo 18 bass accordion.
小学校などでもおなじみの、国産小型アコ。

 トンボの18ベースアコ。1997年ごろ、東郷神社の青空骨董市で購入。
 軽くて持ち運びに便利でしたが、鍵盤数もベースボタンの数も少なく、弾ける曲が限られたため、あまり使いませんでした。
 むしろ、友人に対する「貸しアコ」として使いました。
 2006年秋、広島から東京に引っ越すとき、記念に知人にあげました。

 以下、工事中。

アコーディオンの小部屋
ここは「アコーディオンの小部屋」の一部です。
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