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コンサーティーナ入門 FAQ

最初の公開2011-10-23 最新の更新2017/8/29

【問】コンサーティーナの中古品はお買い得ですか?
【答】品物の質と買い手の価値観によるため、一概に言えません。
 新品とさして変わらない中古品もあれば、故障寸前の中古品もあります。
 コンサーティーナは「器械」のような楽器です。内部の部品の経年劣化(大事に弾けば数十年も無故障で弾けますが)などを考えれば、新品を買うのに越したことはありません。ただし「特定のブランドのビンテージモデルを買いたい」とか「楽器の専門家による調整済みの格安の中古品を見つけた」という場合は、中古のコンサーティーナを買ってもよいと思います。

 なお、コンサーティーナに限りませんが、一口に「中古」と言ってもさまざまな種類があります。
 以下は、日本でよく見かける意味用法です(店や人によって言葉の使い方が微妙に違うため、絶対的な定義ではありません)。
 上記はあくまでも目安です。
 コンサーティーナは一種の「器械」なので、中古品の購入に関しては、中古の自動車と似ています。
 免許を取り立ての人が車を買う場合、新車と中古車と、どちらを買ったほうがよいでしょうか? 一概に言えません。
 いくら値段が安くても、ジャンクの車を買う人は、まずいません。
 車の初心者で「自分は運転が下手なので、自宅の車庫入れのときに車をこすって傷つけてしまうかもしれない。安いセコハンを買おう。値段が高い新車を買うのは、運転がうまくなってからにしよう」と考える人もいます。が、車やギターなどとは違って、コンサーティーナのセコハンは日本ではあまり流通しておらず、中古楽器専門店でもめったに見かけません。
 ビンテージの車、例えば百年くらい前のクラシックカーを買って運転を楽しむ人もいます。値段は高いですし、公道を運転するためには現代の法律の保安基準にあわせて改造する必要があります。ビンテージのコンサーティーナも同様です。例えばコンサーティーナの金属リードの音の高さですが、現代の音楽では「A=440Hz(エーイコール440ヘルツ)」あるいは「A=444Hz」が普通ですが、20世紀前半までは今より低い「A=435Hz」が広く使われていたため、百年前のコンサーティーナを現代の音楽シーンで使うときは、内部のリードを一本一本、手作業で調律しなおす必要があります(けっこう大変な作業です)。またビンテージのコンサーティーナは、外見は立派でも、演奏の途中で内部の「てこ」などの部品がからまってボタン鍵盤が動かなくなったりすることもあります(これは、ネジまわしでグリルのふたをあけていじくればすぐ直せるていどのことですが)。
 骨董品の自動車は、博物館の展示用と考えたほうがよいでしょう。無理に公道を走ると、故障したり事故ったりする可能性があります。骨董品のコンサーティーナも同様です。

 いろいろ書きましたが、楽器との出会いは、友との出会いと同様、「縁」と「相性」だと思います。新品でも中古品でも、要は、気兼ねすることなく、楽しく弾けることが大事でしょう。
 

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