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コンサーティーナ入門 FAQ

最初の公開2011-10-23 最新の更新2017/8/15

【問】「コンサーティーナ」と「コンサーティナ」、どっちが正しいんですか?
【答】どっちも正しいですよ。(^^;;
 コンサーティーナの語源は、演奏会を意味する「コンサート」に、女性的な指小辞「…イーナ」を付けたものです。
 英語・イタリア語・フランス語の綴りはconcertina、ドイツ語では大文字のKで始まるKonzertinaです。
 日本ではまだ固定した表記がありません。近年の書籍やネットを見ると、英語のconcertinaの発音をカタカナで書き写して「コンサーティーナ」とか「コンサーティナ」と書くことが多いようですね。
 この他、「コンチェルティーナ」「コンセルティーナ」「コンサルチーナ」などのカナ表記も見かけます。
 英語のconcertinaの発音も、地域や世代によって「コンサーティーナ」とか「カンサティーナ」とか、微妙に違うようです。そもそも、西洋の現地の発音をカタカナで正確に書き写すのは限界があります。
 この楽器は英語圏はもちろん、南米やアフリカなど世界各地で使われており、 それぞれ現地語の発音で呼ばれています。だから「コンチェルティーナ」とか「コンセルティーナ」など非英語的なカナ表記もアリだと思います。
 私は、個人的にアイルランド音楽が好きなので「コンサーティーナ」という表記を使います。
【参考】 キアラン・カーソン著・守安功訳『アイルランド音楽への招待』(音楽之友社、1998)解説 p179-p180 より引用
 さて、この楽器、日本ではどういうわけかコンセルティーナと表記されているが、正しくは「コンサーティーナ」である。 「現在のブリテン諸島のミュージシャンたちのだれもがコンセルティーナと発音する」と書かれた本もあるが、これは完全に【原書「完全に」の3字の右横に傍点あり】事実に反する。 この他にも、今日本では、アイルランド音楽についての、あまりに不注意な現地ではありえない発音や事実誤認がかなりの数まかり通っているが、 せめて自分たちの演奏する楽器ぐらいは、正しい発音が定着してほしいと切に願っている(アイルランド音楽についての日本で出ている本から 情報を仕入れた愛好家の方から、コンサートやレクチャーの時に、発音が間違っています、といわれる時がいちばん困ってしまう)。
 もう一つ、私が「コンサーティナ」より「コンサーティーナ」という表現を好む理由があります。
 日本語では、サントリーが発売した飲み物「オランジーナ」「レモンジーナ」「ヨーグリーナ」のように「なんとかイーナ」と伸ばすほうが、女の子の名前ぽくって、かわいらしく響くこと。アンジェリーナとかアロエリーナ、などのカナ表記も同じですね。ちなみに原語の「-ina」の意味も女性形指小辞です。
 また「コンサーティーナ」と伸ばすほうが、「コンサート、いいな」という強引な語呂合わせで、初心者に覚えてもらいやすいこと。……この楽器の名前、実はなかなか覚えてもらえないんですよね。
 えっ? 理由になってない? あははは、まあ結局、コンサーティーナでもコンサーティナでも、楽しく弾ければどっちでもいい、ということですね。

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