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コンサーティーナ入門(4.2)
配列表の見かた

最初の公開 2011-10-23
最新の更新 2016-9-29

【配列表の見かた】
 まず、この図を御覧ください。ちょっと頭が痛くなりますね。
 クリックすると拡大します。
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(谷口楽器のチラシをもとに加藤徹が作成)
 注意点は、
・この配列図を全部暗記する必要はありません。
・なぜ、このような配列になっているのか。並べ方の発想法を理解しておきましょう。
 以下、続けて説明します。

Anglo concertina の
ボタン配列の概念図
20 button
  左           右
○○○○○  ○○○○○
○○○○○  ○○○○○
30 button
  左           右
●●●●●  ●●●●●
○○○○○  ○○○○○
○○○○○  ○○○○○
40 button
  左           右
●●●●●□  □●●●●●□
○○○○○□  □○○○○○
○○○○○□  □○○○○○
       □     □ □
 もともと、20個のボタンをもつコンサーティーナ(以下「20ボタン」)が基本です。上記の図では「破線」で囲まれた部分です。
 「20ボタン」でも、全音階の「ドレミファ…」を弾けます。全音階というのは、ピアノの鍵盤で言うと「白鍵」の部分にあたります。半音については、「20ボタン」 ではファのシャープ(F♯)しか弾けません。
 これでは、弾ける曲が限られてしまいます。
 そこで、全ての半音(ピアノで言うと黒鍵にあたる音)も網羅したのが、30個のボタンをもつ「30ボタン」です。これは、「20ボタン」のまわりに半音のボタンを追加したタイプです。「30ボタン」は、上掲の図の実線で囲んだ部分です。
 「40ボタン」は、「30ボタン」の周囲に、さらに「押し引きの方向が反対」の押引逆転補助ボタンを追加して、なめらかな演奏や豊かな和音の演奏がしやすいように拡大したコンサーティーナです。

C/G調 アングロ・コンサーティーナ 常用基本ボタン(ボタン1-20)の音域
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C/G調 アングロ・コンサーティーナ 40ボタン(Bastari/Stagi W-40-M)の音域
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 ピアノの鍵盤(88個)と比較すると、以下のようになります。
 Xおよび赤色の部分は、コンサーティーナ(W-40-M)では出せない音。
 コンサーティーナの重量はピアノの百分の一未満にすぎないのに、ピアノの音域の半分近い42音をカバーしています。
 すごいですね!(^^;;
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↑ウィキメディア・コモンズの「Pianos keyboard with notes.svg」を元に加藤徹が作成した図

 30ボタンコンサーティーナは、上図のB6(高音のシ)まで出ます。
 40ボタンコンサーティーナは、上図のC7(高音のド)まで出ます。
 …と書くと「えっ?」と思われる読者もいるでしょう。
「40ボタンのコンサーティーナは、 30ボタンのタイプより、10個もボタンの数が多い。それなのに、たった1個、音が多いだけとは…?」
 その理由は、40ボタン特有の10個の補助ボタンの多くは「押引逆転ボタン」だからです。 音域の広さからだけ言えば、30ボタンも40ボタンも、大差ありません。しかしながら、40ボタンのほうが「押引逆転の同音のボタン」 がたくさんあるため、蛇腹の操作をなめらかにできます。これは「和音伴奏」をする上で、決定的な違いです。
 アイルランドの伝統音楽(アイリッシュ)のように、ひたすらメロディーだけをバイオリンのように弾くなら、 30ボタンで十分です。しかしながら、ピアノやオルガン、アコーディオンのように、 メロディーと和音伴奏を同時に弾く場合は、40ボタンのほうが圧倒的に弾きやすいのです。

 すみません、いきなり、難しい説明になってしまいました。(^^;;

 難しい配列表とか、五線譜が出てきて、書いてる私のほうも、頭が痛くなってきました。
 正直に言うと、私も、最初に楽器屋さんのチラシなどで、コンサーティーナのボタン配列表を見たときは、何がなんだかわかりませんでした(^^;;
 でも、自分でコンサーティーナを購入して、我流で弾くうちに、この配列表の意味が、だんだんわかってきました。
 初心者が、上記の図を全て理解する必要はありません。しかし、あるていど理解しておくと、あとの上達が早くなります。


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