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コンサーティーナ入門(4.40key)
初心者は、ボタンに番号を
ふっておくと便利

最初の公開 2011-10-23
最新の更新 2016-8-31

【初心者は、ボタンに番号をふっておくと便利】
 ピアノの黒鍵と白鍵もムズかしそうですが、コンサーティーナのボタン鍵盤みたいに白く丸いボタンがびっしり並んでるのも、とっつきにくく見えます(^^;;
 初心者は、自分なりの番号(自分の好きな順番で、けっこうです)をそれぞれのボタンに振っておくと、練習をするときに自分でメモをとったりしやすいです。
 では、それぞれのボタンに、どんな番号をふるか。
 実は、決まりはありません。
 外国のコンサーティーナのテキストを見ても、著者とか本によってバラバラです。
 また、コンサーティーナのボタン鍵盤のそれぞれに番号をふること(ナンバリング)は、たとえていうと、児童が初めて自転車に乗るときの「補助車輪」のようなものです。自転車に乗れるようになったら、補助車輪はお役御免でサヨナラ。コンサーティーナのボタン鍵盤の番号も同じで、あるていど弾けるようになったら、「え? 番号なんて振ってたかなあ?」と忘れてしまってOKです。
 というより、そもそも、番号を振らずに、いきなり楽器をテキトーに遊び弾きしているうちに、なんとなく弾けるようになる……というのが、一番の理想なのですが(^^;;

 もし番号を振るなら、二つの考えかたがあります。

一、単純ナンバリング
 深く考えず、ひたすら順番に番号を振る。単純明快だが、機種やメーカーによる番号付けの互換性はない。
二、工夫ナンバリング
 「なぜ、こういう順番にボタン鍵盤が並んでいるのか」という楽器の設計思想をふまえたうえで、各ボタン鍵盤に番号をわりふる。機種やメーカーが違うコンサーティーナどうしでも番号付けの互換性をあるていど保てるなど合理的である反面、複雑になってしまうため、初心者向きではない。

 あとで、それぞれのナンバリングの実例を紹介します。

40ボタンのC/G調アングロ・コンサーティーナの一例
 筆者が使っている40ボタンのコンサーティーナ「バスターリ W-40-M」のボタン配列を、日本人にもなじみの「ドレミファ…」(固定ド)で書きあらわすと、以下のとおり。
(同じく「40個のボタン鍵盤があるアングロ・コンサーティーナ」でも、楽器の製造メーカーや型番が異なると、ボタンの配列が違うことが多いので注意してください。これはあくまでも「バスターリ W-40-M」という機種の場合です。)
 以下、「単純ナンバリング」の考えかたにもとづいて各ボタン鍵盤に数字を割り振っておきます。
各ボタンの音名・音高  [jpg画像による表示]
「固定ド」表記
40ボタン C/G調 【Bastari W-40-M】
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左手 left hand
右手 right hand
【単純ナンバリング】初心者向き。ボタンの番号を、何も深いことは考えずに、ただ単純に1から40まで割り振る。
 例えば、【左手】の上段の左端にある「番号(1)」のボタン鍵盤は、押した時に「ミ3」の音(「国際式」のE3に相当。3は、音の高さを表す数字)、引っ張った時に「ファ3」の音(「国際式」のF3に相当)が出る、という意味。
【左手】left hand
IIIIIIIVVVIVII
【番号】(1)
【押】ミ3
【引】ファ3
(2)
ラ3
シ♭3
(3)
ド♯4
ミ♭4
(4)
ラ4
ソ4
(5)
ソ♯4
シ♭4
(6)
ファ♯4
ド♯4
(7)
ド3
ソ3
(8)
ソ3
シ3
(9)
ド4
レ4
(10)
ミ4
ファ4
(11)
ソ4
ラ4
(12)
シ♭4
ド♯5
(13)
シ3
ラ3
(14)
レ4
ファ♯4
(15)
ソ4
ラ4
(16)
シ4
ド5
(17)
レ5
ミ5
(18)
ファ4
ソ♯4
(19)
ド4
ド4
【右手】right hand
IIIIIIIVVVIVII
(20)
ファ♯5
ド♯5
(21)
ド♯5
ミ♭5
(22)
ラ5
ソ5
(23)
ソ♯5
シ♭5
(24)
ド♯6
ミ♭6
(25)
ラ6
ファ6
(26)
ド7
レ6
(27)
ファ5
ソ4
(28)
ド5
シ4
(29)
ミ5
レ5
(30)
ソ5
ファ5
(31)
ド6
ラ5
(32)
ミ6
シ5
(33)
シ♭5
ソ♯5
(34)
ソ5
ファ♯5
(35)
シ5
ラ5
(36)
レ6
ド6
(37)
ソ6
ミ6
(38)
シ6
ファ♯6
(39)
レ♯5
ラ4
(40)
レ5
ミ5
※左下のすみの(41)は「空気抜き」のボタン。
【工夫ナンバリング】コンサーティーナの「通」向き。ボタンの番号を、20ボタン型や30ボタン型のコンサーティーナとの共用性も考慮して、1から40まで並べる。
【左手】left hand
IIIIIIIVVVIVII
【番号】21
【押】ミ3
【引】ファ3
22
ラ3
シ♭3
23
ド♯4
ミ♭4
24
ラ4
ソ4
25
ソ♯4
シ♭4
31
ファ♯4
ド♯4
1
ド3
ソ3
2
ソ3
シ3
3
ド4
レ4
4
ミ4
ファ4
5
ソ4
ラ4
32
シ♭4
ド♯5
11
シ3
ラ3
12
レ4
ファ♯4
13
ソ4
ラ4
14
シ4
ド5
15
レ5
ミ5
33
ファ4
ソ♯4
34
ド4
ド4
【右手】right hand
IIIIIIIVVVIVII
35
ファ♯5
ド♯5
26
ド♯5
ミ♭5
27
ラ5
ソ5
28
ソ♯5
シ♭5
29
ド♯6
ミ♭6
30
ラ6
ファ6
40
ド7
レ6
36
ファ5
ソ4
6
ド5
シ4
7
ミ5
レ5
8
ソ5
ファ5
9
ド6
ラ5
10
ミ6
シ5
37
シ♭5
ソ♯5
16
ソ5
ファ♯5
17
シ5
ラ5
18
レ6
ド6
19
ソ6
ミ6
20
シ6
ファ♯6
38
レ♯5
ラ4
39
レ5
ミ5

【参考】西塚式音名表記(ドデレリ)による、コンサーティーナ鍵盤図
40ボタンCG調アングロ・コンサーティーナ(ホイートストン配列)
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 上記の【単純ナンバリング】による数字表記を使うと、例えば、石川智晶「アンインストール」冒頭の「♪オーエーアーエー、オーエーアーエー」にあたる部分のメロディー
「ファ ラ♭ ソ ファ シ♭ ラ♭ ド シ♭ ミ♭ レ ド シ♭ ラ♭ ソ ファ、…」
の弾きかたを、
左(10中引ファ)(5人押ラ♭)(11人押ソ)(10中引ファ)、(5人引シ♭)(5人押ラ♭)右(28人押ド)左(5人引シ♭)、右(21人引ミ♭)(21人押レ♭)(28人押ド)左(5人引シ♭)、(5人押ラ♭)(11人押ソ)(10中引ファ)
 などと表記することができる。
左(10中引ファ)
 は「左手の(10)のボタンを中指でおさえて蛇腹を引っ張るとファの音が出る」意の日本人向けの略号。外国人にもわかる国際的な表記法としては、同じものを(10m-F4)などと書いてもよい。

【参考】上記の「工夫式」のナンバリングについて、それぞれのボタン鍵盤の音高をアルファベットを使った「国際式」で表記すると、以下のとおり。
各ボタンの音名・音高 [ jpg画像版 ]
「国際式」表記(scientific pitch notation)による(注※)
40ボタン C/G調 Bastari式 W-40-M
左手 left hand
右手 right hand
【左手】left hand
IIIIIIIVVVIVII
【番号】21
【押】E3
【引】F3
22
A3
B♭3
23
C♯4
E♭4
24
A4
G4
25
G♯4
B♭4
31
F♯4
C♯4
1
C3
G3
2
G3
B3
3
C4
D4
4
E4
F4
5
G4
A4
32
B♭4
C♯5
11
B3
A3
12
D4
F♯4
13
G4
A4
14
B4
C5
15
D5
E5
33
F4
G♯4
34
C4
C4
【右手】right hand
IIIIIIIVVVIVII
35
F♯5
C♯5
26
C♯5
E♭5
27
A5
G5
28
G♯5
B♭5
29
C♯6
E♭6
30
A6
F6
40
C7
D6
36
F5
G4
6
C5
B4
7
E5
D5
8
G5
F5
9
C6
A5
10
E6
B5
37
B♭5
G♯5
16
G5
F♯5
17
B5
A5
18
D6
C6
19
G6
E6
20
B6
F♯6
38
D♯5
A4
39
D5
E5

ボタン配列の概念図を
もっと単純化すると、
以下のようになります。

  左           右
●●●●●□  □●●●●●□
○○○○○□  □○○○○○
○○○○○□  □○○○○○
       □     □ □

○は基本20ボタン。
●は補助10ボタン。
□は追加10ボタン。

○は非常によく使うボタン。
○だけで足りない時は●を、
それでも足りない時は□を使う。
※(注) 「国際式」とは、ドレミファソラシ…のそれぞれをCDEFGAB…で表し、かつ、それぞれそのアルファベットの後ろにに「何オクターブ目の高さか」を示す算用数字をくっつけるという、世界共通の科学的な表記法です。 英語ではscientific pitch notation(科学的ピッチ表記法)と言います。詳しくは、ウィキペディアの[音名・階名表記]等を御覧ください。

 ボタン番号を使いと、説明が簡単になります。蛇腹を押すのは「+」(プラス)、蛇腹を引っ張るのを「-」(マイナス)になります。
 例えば、宮崎アニメ「魔女の宅急便」の歌の冒頭部の「薄紅、花景色、せつなさを知った春…」 の旋律は
ミ ド、ミ シ、ミ ラー、ソ ファ、ソー、ド…
です が、このメロディーを弾くためのボタン操作は、
7+ 9+, 7+ 17+, 7+ 9-, 27- 8-, 8+, 6+ …
と表せます。(詳しくはこちらを見てください)


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