アコーディオンの小部屋

金子元孝『アコーディオン愉し』

Mototaka Kaneko's book Accordion Tanoshi or Accordion is pleasant
新社会文化出版会
1996年6月8日 初版 第1刷
1997年4月5日 第2刷発行
1999年4月5日 増補改訂版 第3刷発行
2004年6月18日 第4刷発行
[金子先生の漫画] [金子先生の教え]

以下の画像は、クリックすると拡大します。
Click and you can enlarge the pictures
1.
金子元孝,漫画,アコーディオン,accordion,cartoon
2.
金子元孝,漫画,アコーディオン,accordion,cartoon
3.
金子元孝,漫画,アコーディオン,accordion,cartoon
4.
金子元孝,漫画,アコーディオン,accordion,cartoon
5.
金子元孝,漫画,アコーディオン,accordion,cartoon
6.
金子元孝,漫画,アコーディオン,accordion,cartoon
7.
金子元孝,漫画,アコーディオン,accordion,cartoon
8.
金子元孝,漫画,アコーディオン,accordion,cartoon
1.the front cover of this book
2. a trial ground for getting over your bad habit of watching your hands as playing
"I put my life on your head, my good fellow!"
"Now I cannot look down."
3.We are talking about divorce. No music required!
4.(I)I love you and now I'm in a heartrending sorrow.
Give me kiss of fire,I love you.
Playing the guitar is too common, cheerless.
(II)It was too bad.She requires another acts.
Bowwow (in Japanese language, the dog's bowwow is "wanwan (one one)")
(III)Now I play this sound.
Hey? It's so cool.
(IV)As I thought,you like it.
Now I know you have a good musical sense!
5.Special Bathing Show
6.All of your fingering erros becomes trash. You make too much trash.
7.You should pay attention to lend and rent the music instruments.
The back side of your accordion would be dented after you lend it to a woman like her.
"I want to play the accordion too. Let me borrow yours. "
8.Move in the Afternoon(parody of Audrey Hepburn's movie title, Love in the Afternoon)
(I)Play very sweet music.
The pay is too low,is'nt it? Anyway better than no pay.
(II)I'm so happy. (Fascination Waltz)
(III)I cannot keep playing. (Besame mucho)
(IV)Frogs!(Tango Jalousie)


金子先生の教え(本書より引用)
 アコーディオンだけでなく、コンサーティーナなど他の楽器、ひいては人生そのものに対する深い教訓に満ちた金子先生の言葉が、本書には満載です。
 以下はそのほんの一部です。

p.8 航空会社のスチュアーデスの団体なんかで、ずらーり美人が並ぶと、遠くで聴いているバーテンが「金子さん、何時もより音が大きい」とか私を冷やかすが、自分でもうまく弾けてる感じがするから不思議だ。

p.8 年増のオバさん達五、六人が、こっち向いて楽し気に喋っていることもあった。さぞや音楽好きな方たちだと思って話しかけると 「違うのよ。私たち音楽わかんないの。あんたの指が楽器のボタンみたいな上をチョンチョンと押したり、 撫でたりするんだもん、みんなシビレちゃって・・・・・・ウワッハッハッハ・・・」。 おばさんたち何考えとるのかね。

p.14 どんな楽器だって独奏もでき、伴奏も、重奏も合奏も出来るんだ。大体君たちそれで歌の伴奏してるつもり? ただ歌と一緒に独奏してるだけでしょ。

p.16 昔、手風琴は、ヨーロッパでは船員が長い航海の船上で慰みに弾いたのである。

p.28 練習の“習”は習慣の“習”。

p.29 アコーディオンの上達、それは練習するしかない。決まってるから、そんなことを言う先生はなんにも教えていないのと同じだ。も少しましな先生だったら「その人を練習にし向けるムード」を与えなければならない。

p.30 『練習』とは習慣として練ることで、一週間やらなかったが今日は練習した……は練習とは言わない。

p.30 サラリーマンとて一日八時間の労働を二年三年と積んでその仕事に一人前となる。アコを一日一時間ばっか弾いて一人前になれると思うな。

p.30 次に、技術的な上下の分かれ目はどこにあるかと言うと、薬指の動きにかかっていると知るべきである。/薬指の弱い人はまず駄目。

p.30 三番目には、今日はやらなかったが明日は練習するぞは禁物で、何時でも「とっつくこと」の重大さを知るべきだ。
 なぜなら、自分で自分が一番練習しなくてはいけない!と痛感する時ってのが、練習している最中なんだからね。この辺を解って欲しいのである。
 さて最後に、アコーディオンをうまくなりたい・・・・・・は誰にしても同じだが、それ即ち楽譜がスラスラ読めて指が動くようになりたい。夢も目標も、もっぱらそれ。しかし私が音楽会へ行って、練習の積み重ねみたいなものを見せられるほどつまんなさはない。じゃあなんだ。そこなんだがね。簡単に言えば、アコーディオンにはアコーディオンの魅力があり、それを活かしてゆく、その理念なんだがね。

p.42 昔あったスコープコーダーから抜すいされた一九六〇年代の名奏者の実録ビデオを見るとアコーディオンには座奏、立奏のほか歩奏、踊り弾きまであるんだとわかる。ヨーロッパ、アメリカなど向こうのアコーディオンと一緒でバカッ騒ぎする中に巻き込まれると、人生の楽しみ方の凄さみたいなものを学べる。

p.44 日本ではアコは子供のころ教育されず、大多数が中年で囓りつくんだからむずかしいってだけの話よ。

p.47 アコーディオンはむずかしいか? やさしいか? ・・・今までを振り返って、そんなこと私には考える余裕なかった。自分が好きならやるしきゃないんだ。

p.48 『アコーディオンの下手くそは、ほかの楽器の下手くそより聴くに堪えない。アコーディオンの先生は、ほかの楽器の先生よりレベルが低い。』 ――これ聞いて確かにそうだと思い、猛反省をうながされた。

p.49 次にアコがピアノやギターよりむずかしい点があるとすれば、ボンとかブーとかひとつの音を弾く場合、音が自然に消えてゆかない点である。

p.50 アコは指で弾いているのだろうか。下手くそとは結局何か? 原因はどうやら耳にあるようだ。下手くそとは、前記のようなバツ演奏を耳が許しているからではなかろうか。

p.60 「クラシックを弾く人なら易々演歌弾ける。バッハの偉大さわかる?」なんて人の演歌、聴けたもんじゃないよ。

p.63 踊りの曲が多いのに、アコ弾く人って踊りには とんと無関心なのだ。そう思いませんか?

p.65 見失うな アコーディオンのルーツ

p.65 <貧乏人のピアノ>って唄知ってるかね? この時代のアコーディオンって本当に安くて手軽で易しく弾けたんだ。田舎でもどこの家庭にも小型のアコーディオンがころがってるようなこの楽器のいわばルーツに少しぐらい戻したいよ・・・アコ普及協会会長としてはね。

p.66 大体、アコーディオンって外人サイズだってのにも気がつかない。

p.66 で一度自分の体重と楽器の目方を比べてほしい。体重の五分の一以下の楽器が適当だ。

p.67 だからよく聞かれる「アコーディオンに当たりはずれってありますか?」に「ない」と言ったら嘘になるだろうが、 前々からあまり鳴りのよくない楽器と思っていたのを、たまたま外人の奏者に貸して演奏を聴き、 その楽器を見なおしたことがある。/その時、昔先生から言われた言葉「アコーディオンて、あまり楽器にばかり厳しい要求(注文)をつける必要はない。」 を想い出した。

p.70 アコーディオンだけの仲間、ドングリの背比べの中でなまぬるい指先だけの練習してると、音楽表現てその程度のものかと思い込んでしまう。

p.75 楽譜は音をとどめておくためのもの。英文法全く知らない人がみんな英語しゃべってるように楽譜で壁を作らず、耳を持ってるなら自分で音楽創ろうよ。

【補足】 ベースボタンの配列などはポスター用紙に図を描いて天井に貼りつけ、寝床に入っても眺めながら眠って覚えた。

[Top Page]