戦金山(せんきんざん)Zhan-jin-shan
これから見ていただくのは、戦金山、金山(きんざん)の戦い、というお芝居です。
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四人の女兵士が登場し、そのあと、主人公の梁紅玉が登場します。
梁紅玉は、はやる胸のうちを、しぐさと踊りで表現します。(約3分)
梁紅玉は歌います。
「いくさの太鼓を、女の細腕(ほそうで)で叩き、味方の士気を鼓舞(こぶ)しましょう。
見渡せば、戦場には、兵隊の旗指物(はたさしもの)と鎧兜(よろいかぶと)は、光り輝いています。
大河(たいが)をうめつくす軍艦(ぐんかん)はびっしりと陣列を組み、まさに鉄壁(てっぺき)のかまえ。
わが軍隊のときの声は、天空たかくこだまする。
女であっても、戦いの帰趨(きすう)を左右するはたらきをしましょう。
栄光の軍旗(ぐんき)を守り、戦場の大河も逆流せんばかりの気迫をもって、
忠勇無双(ちゅうゆうむそう)、わが祖国の旗を守りぬきます」
梁紅玉は言います。
「私(わたくし)は、梁紅玉と申す者です。今日、わが国の男たちは、敵に決戦をいどみます。私は、いくさの陣太鼓(じんだいこ)を打ち鳴らし、味方をはげまそうと思います。女兵士たちよ、陣太鼓をこれへ」
太鼓が運ばれてきます。
梁紅玉は歌います。
「直接、敵と戦わずとも
敵の大軍を倒すことはできるのです」
味方をはげますため、太鼓をはげしく叩きます。(約3分)
女たちは、踊りながら歌います。
「はるかに見ゆるは、はげしく波立つ戦場の大河。さかまく波は天まで届く勢いです。
大きな網を川に投げいれて、大物の敵をつかまえましょう。
戦場では、角笛(つのぶえ)や太鼓の音が鳴りひびいています。
まるで、神話に出てくる巨大な魚が、大波(おおなみ)をたてて暴れているかのようです。
馬はいななき、旗ははためく。馬はいななき、旗ははためく。
戦場にみなぎる殺気(さっき)は、空高く雲の中にまで立ち上ってゆきます。
残念なのは、敵の数が多すぎて殺しきれぬこと。
豪華なよろいを身にまとい、刀をひっさげて馬に乗り、
豪華なよろいを身にまとい、刀をひっさげて馬に乗り、
魔生(ましょう)の女武者(おんなむしゃ)たちが、天空(てんくう)から地上の戦場におりたつ。
さあ、威風堂々、戦場の花となりましょう。」
女たちは見事な槍さばきを披露します。(約3分)
(完)