Illegal Flower Bed in a City


2000年頃に月島の路地の保全が注目された頃から、東京の路地園芸のあり方について研究しています。

路地園芸は江戸時代からの歴史を持つ庶民的な都市の園芸文化ですが、近年、歩道や緑地帯などの公共スペースにまではみ出した個人の園芸活動が、交通や景観の妨げになるなどの問題にもなっています。

観賞植物が敷地境界からはみ出すような軽度のものがある一方で、街路樹の根本や緑道などの緑地帯に野菜畑を作るなど、度を越したものも少なくありません。
勝手花壇問題の難しいところは、行っている側に悪意がないことが多く、公共空間を管理する行政も無下に撤去できないことです。 どうすれば市民の緑化意識が上手く都市景観の美化につながるのか、検証を続けています。

一方、仔細に路地園芸を観察すると、朝顔などの草本から、比較的大きく育つ木本まで、非常にヴァリエーションが豊かである事に気づきます。
ただし、それらの何割かは、バケツなどの本来植栽用ではない容器に植えられたり、放置されたりして、あまり良い状態ではありません。

日本には世界に誇る盆栽文化がありますが、日本の路地空間に置かれる理想的な植栽の基準を盆栽に置き、あるべき路地園芸の規範を示せないかと、考察を続けています。