3つの全国調査を円滑に実施するために、A班、B班、およびC班相互の連携調整を行う。また、主に若手研究者のための社会調査法研究会を主催し、また、研究成果の公表に関わる国際研究集会、国際シンポジウムを組織し、開催する。
構成メンバー:総括班代表 村山眞維(明治大学)
分担者:松村良之(千葉大学)、樫村志郎(神戸大学)、阿部昌樹(大阪市立大学)、和田仁孝(早稲田大学)、フット・ダニエル(東京大学)、太田勝造(東京大学)、濱野亮(立教大学)
平成17年度 | |
---|---|
5月28日(土) | 明治大学 |
7月18日(月) | 明治大学 |
1月9日(月) | 新高輪プリンスホテル |
平成16年度 | |
4月 | 新高輪プリンスホテル |
9月 | 新高輪プリンスホテル |
11月 | 新高輪プリンスホテル |
1月 | 新高輪プリンスホテル |
平成15年度 | |
8月10日(日) | アルカディア市ヶ谷 |
10月5日(日) | アルカディア市ヶ谷 |
11月16日(日) | 学士会館 |
1月10日(土) | 新高輪プリンスホテル |
平成17年度 | |
---|---|
11月13日(日) | 社会調査法研究会(明治大学) |
12月3日(土) ~4日(日) |
国際研究集会「法化社会における紛争処理と民事司法-問題経験・紛争行動と法意識」 (明治大学) 報告者: 民事紛争全国調査グループ(日本)、ヘーゼル・ゲン(ロンドン大学教授)、ハーバート・クリッツァー(ウィスコンシン大学教授) |
平成16年度 | |
6月13日(日) | 社会調査法研究会(立教大学) |
11月 | 11月調査員の現地調査に同行 |
11月25日(水) | 中央調査社との検討会(第2次予備調査関係、東京都) |
12月27日(月) | 社会調査法研究会(アルカディア市ヶ谷) |
平成15年度 | |
10月5日(日) | 社会調査法研究会(アルカディア市ヶ谷) |
11月15日(土) | 社会調査法研究会(アルカディア市ヶ谷) |
12月14日(日) | 社会調査法研究会(立教大学) |
総括班では、5月に第1回総括班会議を開き、A班による紛争行動本調査の実施結果報告を受けるとともに、B班の法使用行動本調査の計画最終案、およびC班の訴訟行動第一次本調査(裁判所記録調査)の準備状況について検討を行った。B班の本調査については、2段階に分けずに1回の本調査をする方向で検討を進めていることを了承した。また、裁判所記録調査については、当初の計画通り、A班及びB班もその実施に協力することとし、それを前提に全国での実施計画をC班が立てることを了承した。第2回総括班会議は7月に開催し、紛争行動本調査のデータ分析状況について報告を受けるとともに、法使用行動本調査が最終的に1回の調査で実施することを了承した。また、裁判所記録調査については、夏休み中に特定領域研究参加者が全員で天気作業をサポートし、関連大学の大学院生を中心に作業グループの組織を進めていることを了承した。第3回総括班会議は平成18年1月に開催し、法使用行動本調査の最終案を了承するとともに、裁判所記録調査が1地裁を除き終了し、年度末に完了の見込みであることが報告された(実際に記録調査は3月28日時点で完了している)。この会議は中間ヒアリングの評価が問題となり、評価基準が採択基準と同じであるのかどうか、研究目的がサーベイであることについて十分な理解を得られているのかどうかについて疑問が出された。
社会調査法研究会は夏と冬に2回開催し、多変量解析の手法について検討を行った。来年度はB班とC班の本調査データも出てくるため、それらのデータも用いて、さらにデータ分析の手法についての研究会を続けていく予定である。 総括班が中心になり、ロンドン大学のヘーゼル・ゲン教授とウィスコンシン大学マディソンのハーバード・クリッツァー教授を招き、12月初旬に国際研究集会を東京で開催した。ここでは紛争行動調査のデータと、イギリス及びアメリカの全国サーベイとデータとの比較が行われた。その後、村山、ゲン、クリッツァーが核となり、民事紛争行動についての国際研究グループを組織した。カナダ、オランダの研究者も参加しており、平成18年度以降、国際比較研究を行っていく予定である。
今年度は、A班が紛争行動についての予備調査と本調査を、B班は法使用についての予備調査を、C班は訴訟行動の予備調査をそれぞれ実施したため、総括班では、それらの調査実施に至るまでの各班の間の全体的調整を行うとともに、それに関連する研究会を実施した。
まず、全体的調整のための総括班会議は、4月、9月、11月および1月の4回開催した。第1回総括班会議では、A班とB班が前年度に実施した予備・予備調査の実施状況と結果の概要について、C班については継続実施中の予備調査状況について、それぞれ検討した。第2回総括班会議では、主にA班とB班の実施予定の予備調査の準備状況について報告がなされ、両者の間の分業をどのようにするかの調整が行われた。第3回総括班会議では、主にA班の予備調査質問票について検討をするとともに、B班とC班の準備状況についても報告された。第4回総括班会議では、A班の本調査の実施準備状況と、B班およびC班の予備調査実施状況について検討を行った。
総括班では、特定領域参加者全員の間の協力を促進するために、昨年度に引き続き、5月に全体会議を開き、A、B、Cそれぞれの班の研究進展状況を共有することに努めた。
また、昨年に引き続き、社会調査法研究会を2回開催した。今年度はデータ分析を主なテーマとして、1回目はデータハンドリングから変数操作、単純集計からクロス表の検定、分散分析の入門までを、2回目は回帰分析と因子分析の入門までを、それぞれ取り上げた。来年度は他の多変量解析の手法を取り上げる予定である。
本研究における総括班の基本的役割は、5つの研究グループの連絡調整を促進し、研究全体の統一のとれた実施を進めること、若手研究者のトレーニングを行うこと、および、海外研究者との討議を行い、国際会議開催の準備をすることである。
第一に、総括班は平成15年8月から平成16年1月までに3回の会議を開き、各研究グループの研究進展状況を把握し、連携を緊密にすることに努めた。また、今年度に予備調査を実施することになったため、調査実施に当たっての倫理規定「民事紛争全国調査倫理規定」を作成し、参加者全員に遵守を求めることにした。さらに、研究参加者の間の権利義務関係を明確にするために、「民事紛争全国調査参加者遵守規定」を定め、これについても参加者全員に遵守を求めることにした。
第二に、大学院生を主な対象とした社会調査法研究会をこれまでに3回開催し、若手研究者が本調査に参加できるための準備を進めている。この研究会には、特定領域研究への正式参加者以外の12名の若手研究者が参加している。
第三に、イギリスのヘーゼル・ゲン教授(ロンドン大学)、ベルギーのパルメンティエ教授(ルーヴァン大学)、アメリカのヘンスラー教授(スタンフォード大学)およびクリッツァー教授(ウィスコンシン大学)と総括班のメンバーが、大規模調査の運営方法、調査企画に当たって生じやすい問題点、調査実施上の留意点などについて、討議、検討を行った。このように早い段階で、類似の全国調査を行っている海外研究者と接触することにより、その経験から学ぶことができるだけでなく、将来の国際シンポジウムにおいて実質的な討議を行うための下地を作ることに役立つと考えている。