Miscellaneous: 英語&留学
英語を教えていると、一番多く質問されるのが「どうすれば英語が上達
できるのですか?」というやつです。まあ、人それぞれ自分に合った方法と
いうのが存在するでしょうけれども、ここでは私が実践し、効果的だったたもの
を中心にお話します。今回はリスニングとスピーキングについてです。
1.リスニング
2.スピーキング
リスニング: リスニング力を高めるには、二つの能力を同時に向上
しなければいけません。一つは「音そのものを聞き取る力」で、もう ひとつは
「聞いた文を瞬時に理解する力」です。
<音の理解>
音そのものを正確に聞き取るのに一番良い訓練は、ディクテーションだと思います。
ディクテーションとは、英語を聞いて、書き取る練習です。この練習で大事なのは、
正確に聞き取れなかった音を分析することです。たいていの場合、聞き取れないの
は発音上の音声変化によるものです。例えば、「いっついんねあ」と聞こえた場合、
「いっつ」は「It's」だとうとわかるものの、「いんねあ」って何だろうとと思いますよね。
そこで答えを見て、「なんだ "in there"か」で終わってしまうのではなく、
ここで起こっている音声変化をしっかりと見極めるのです。
英語の「n」という音は、とても強い音なので、周りの音に影響を与え、
自分と同じ音にしてしまいます。(同化という)この例で行きますと、
there の「th」の音が、その直前の in の「n」の音に同化され、
「いんぜあ」が「いんねあ」になってしまうわけです。英語にはこのような
音声変化が沢山あって、それが英語を聞き取りにくくさせているのです。
そして音声変化のパターンがわかったら、今度は自分が同じ音で発音
できるように「発音練習」 をして自分の体・脳に覚えさせるのです。
このような訓練は、一瞬面倒くさそうですが、脳が音を理解するしくみから考えて、
最も効率的な「音を聞き取る能力」の能力の向上法です。「脳が知らない音は
聞き取れない」というのが基本です。自分の発音矯正をして脳に英語の音を
徹底的にたたきこみましょう。
<意味の理解>
リスニングの意味の理解力を向上させるのに、意外にも最も効果的なのは
「リーディング」なのです。しかし、「ことば」の意味を伝えるための媒体が「音声」か
「文字」かという違いだけだということを考えれば、これらの関連性も納得
できますよね。
「リーディング」とは言っても。ただ読むのではなく、「速読」の練習が大切です。
「速読」とは言っても超人的な速さで文を読んでいく「ななめ読み」のようなものではなく、
ネイティブが話すくらいの速度で、戻ったりすることなく、単語が出てきた順に
文が読んで理解できるようにするです。音声として発せられた文は、文字として
書かれている文と違い、わからなかった部分があっても戻って考えている暇が
ありません。主語がなんだ、目的語がなんだ、この関係詞はどこどこにかかっているとか
そんなことを 考えている暇もありません。 考えている間に次の言葉が次々と
発せられてしまいますので、もっとわからなくなってしまいます。したがって、
単語が出てきた順に理解していかなければいけません。 文を一方向に
直線的に理解していく練習がこれなのです。
このような一見、不思議な練習もちゃんと地道に続ければ驚くような効果が
現れます。上で述べた練習は、脳科学の観点からもちゃんとした根拠に
基づいたものですのでご安心ください。ちなみに、応用練習として、キャプション
(=英語の字幕)のついた英語を見るというのも結構効果的かもしれません。
あと、脳科学には基づいてませんが、一つ僕の経験の中で有効だった練習は、
英語の単語・イディオム・慣用表現を集めた本をテープ・CD付で買って、聞きまくって
発音しまくって、文字としてではなく、音として理解できるように練習しました。
文字として知っている単語・表現でも音として入ってくると意外に理解できないもの。
ですから、この練習は意外に役に立ちました。また、英語のなぞなぞのテープを
聞きまくりました。意味がわからなければ理解できないわけですから、真剣に
聞いて理解しようとします。そこが、ただ英語のニュースや映画を見るよりも
いい練習になったわけです。英語のニュースや映画だと、わからないところが
あってもなんとなく状況で意味を想像したり、そのままわからないままにしちゃったり
しますからね。
とまあ、このような練習をすることにより、自然に聞いた英語を意味に
直結して理解する力が養われていきました。
スピーキング: 日本にいるとなかなか英語を話す機会がないので、全然話す力が
伸びないし、せっかく留学してきても会話力がどんどん落ちてきてしまうと嘆く人も
多いはず。しかし、嘆くより前に 「英語を話す環境がないなら自分で作り出せばいい!」
というのが僕の意見です。
まず一人でできるは、自分の生活、思考を全部英語モードにしてしまうこと。
そして暇さえあれば何か題材を見つけて全部英語で説明する練習をします。
身の回りのものの使い方から、自分の考えまでを全て英語で言うことを続けてみてください。
(考え事をしていたら、それを全部英語で言えるか確かめてみてください。
こういった練習は実はすごく大切なんですよ!!!)また、朝起きてから寝るまで、
独り言を全て英語でやってみるのです。(周りの人からは白い目で見られる
でしょうけど。)
もちろん、独り言だけでは「コミュニケーション」の力は上達しません。やはり
ネイティブや英語を話す人々とと会話をすることは大事です。そのために
私がよくやったのは、近所の外人の溜まるバーに通うこととか米軍基地の
中に友達を作ること。特に、外人バーには本当に毎日のように通い、朝まで
いろいろな話をしたり、議論したりしました。この時に大事なのは、「『自分は
英語がうまくなりたいから相手に近づいてる』という下心を絶対に出さない」ことです。
(だから「英語を教えてくれ」とか言わない方が良いと思います。)
同じ国の人同士だって下心のある人間とはお近づきになりたくないもの。それは
外国人だって一緒です。日本にいる外国人の皆さんは、どこにいっても
English Machineのように扱われてうんざりしているのです。これをちゃんと
念頭において行動していれば、外国人の皆さんといい関係が築けると思いますし、
英語もうまくなるしと、まさに一石二鳥です。
まあとにかく、「英語」を話すチャンスは待っててもやって来ません。(笑)
ですから自分で話す機会をどんどん作るのです。みんなに白い目で見られたって
良いじゃないですか。変人結構。小泉首相を見てくださいな。 何かをやり遂げたとき、
最後に笑うのはあなたですから。 がんばってくださいね!
日常会話って?
アメリカに住んでいたと言うと、同じように頻繁に聞かれるのが、
「じゃあ日常会話は完璧ですね?」という質問です。しかし、
「日常会話」って何でしょう?日常の生活において話す言葉でしょうか?
大学院時代に、全然違う専攻分野のアメリカ人の友達達と
普段を話をしていて感じていたのは、「日常会話」って、実はすごい
難しいんだなぁということです。専攻分野の違う人たちですから専門の
話はお互いにあまりしません。従っていわゆる普通の会話(=日常会話)
ということになるわけですが、会話がうまくいかないこともしばしばありました。
私達が日常話す話題って、実はものすごい広範囲に渡っていますよね。
友達や家族の話をはじめ、政治の話、恋愛の話、タレントの話、音楽の話、
医学や科学の話など、本当にいろいろな話題について語っています。
昆虫の話をしたりするときもあります。例えば、「トイレにこおろぎがいたよ!
びっくりしたぁ。」なんて話もしたりしますよね。では、「こおろぎ」って英語で
何というのでしょう?同じように日常会話では健康やけがの話題はよく出ます。
では、「捻挫」って英語では何というのでしょう?
これらの言葉は、日本人であれば小学生の子でも知っているはずです。
このように、日常会話を「完璧」にこなすには、実は日本語と同じくらいの
語彙が必要なのです。通常の人の母国語における単語力が15000位
と言われていますから、英語でもそれくらい必要になってくるわけです。
受験の時に覚えるのがその3分の1くらいでしょうから、すなわち、
とてつもない単語力が必要になってくるわけです。その点、自分の
専門分野の話をするのは簡単です。使われる単語なども限られてきますから。
まあ、そういった意味で、上のような質問で言う「日常会話」というのは
実は、「日常会話」ではなく、買い物したり、電話をかけたり、生活するために
最低限のコミュニケーションをするのに必要な会話、すなわち、
サバイバル・イングリッシュのことをさしているわけです。
サバイバル・イングリッシュは、向こうで生活すればほんの数ヶ月で
身につきます。学校の勉強についていくのもそんなに難しくありません。
しかし「日常会話」マスターへの道は長く険しいです。
みなさん、是非「日常会話」ができるようになるようにがんばって
くださいね。
治安に関する話:
アメリカに住んでいたという話をすると必ず聞かれるのが治安の問題です。
シカゴ大学は特に危ない地域にありまして、キャンパス内であっても、
暖かい季節なると、その約1キロ四方くらいのコミュニティーで、週に
五、六十件の犯罪があるようなところでした。
私は、シカゴ滞在中、13回引っ越しましたので、キャンパス内、
ダウンタウン、郊外といろいろなところで生活をした経験があります。
私は比較的安全に生活を送れた方だとは思いますが、それでもいくつか
エピソードがあります。それをここでお話したいと思います。
(その1):ある晩、友達とご飯を食べに行って、その帰りにその友達を
幸運にも私は滞在中には大した問題に巻き込まれませんでしたが、
ヤで送る途中でのことでした。Korean Town の近くで、走行中の私達の
ヤの前に、突然数人のAfrican Americanの少年が飛び出して、道路の
反対側へと全速力で渡って行きました。なんでそんな危ないことをする
のだろうと、少年達が走ってきた方角に目をやると、なんと別の少年が
拳銃を連続で発砲していたのです。私達の車からわずか数メートルの
ところでした!!私達は、身をかがめ、すばやくその場をそのまま車で
走り過ぎ、無事に友達を送りとどけることができました。あの闇夜に光る
青い閃光を今でもはっきりと覚えています。
(その2):ある週明けのさわやかな朝のことでした。アパートの入り口に
管理人が張り紙をしているのを見つけました。「なんだろう?」と思って早速
読んでみると、その前の週末になんと私達のアパートに2件、押し入り強盗が
入ったというのです。私の住んでいたアパートは、6戸ありましたので、
確率は1/3だったわけです。(ーー;)恐ろしや.....
まわりには実際に事件に巻き込まれた人もたくさんいます。
みなさん、You cannot be too careful. ですよ!!