旅先からのネット接続(2) 自分でパソコンを持っていく場合 旅にノートパソコンを一台持っていけば、行き先に電話回線があるかぎり、地球上のどこからでもネットワークに接続することができる。持っていくパソコンはできるだけ小さくて軽いほうがいいが、また同時に、できるだけ丈夫なもののほうがいい。液晶は圧力や衝撃に弱いので、液晶部分の保護に工夫を凝らした入れ物に入れて運ぶ。飛行機に乗る場合は、かならず手荷物として機内に持ち込む。爆弾かと疑われることもあるが、その場合は実物を見せてそうではないことを納得してもらうしかない。 とはいえ、どうしても機械に衝撃が加わるのは避けられない。壊れてもいいような中古品を持ち歩き用のパソコンとするのも一法。ディスクドライブ(FD/CD/DVD)は内蔵されている機械よりも外付けの機械のほうが携帯には便利。ディスクドライブは壊れやすいのも問題。たしかにハードディスクも衝撃で壊れてしまうことがある。旅先だけでなく、日ごろからファイルのバックアップはUSBメモリやデジカメ用のメモリカードの類に保存しておくのがいい。ただ、CDドライブがあると音楽が聴けたり、いざシステムが壊れたときにリカバリをすることができるが。。。(この場合はシステムリカバリディスクも必要) ネットワークに接続する方法と機材 いちばん単純なのは、電話につながっているケーブルを抜いてパソコンのモデムポートに差し込むこと。ねんのため電話用のケーブルを一本持っていくとときに重宝する。国や地域によって電話線のプラグの形状がさまざまなので、海外に行くときには行き先にあわせて電話プラグ変換アダプタが必要になる。 電話回線を流れる電流が不安定でパソコンにダメージを与えたり、ケーブルの極性が反転していたりすることがあるので、それをチェックし修正するのに、モデムチェッカーを用意しておくと安全性が高まる。 日本などいわゆる先進国ではホテルに有線、無線のLANの設備があるところもある。この場合は有線のLANケーブルか、無線LAN機能が内蔵されていないパソコンの場合、無線LANカードを内蔵しておくと便利。 逆に、古い宿などでは、電話線が壁から直接出ていて電話機に直接つながっているタイプの電話があることも多い。この場合は部屋からのネット接続をあきらめるか、音響カプラを受話器に縛り付けるという強引な方法もあるが、フロントにはもっと使いやすい電話機があることが多いので、交渉して使わせてもらうのもいい。 アクセスポイントへのアクセス さて、電話回線経由でパソコンをネットにつなぐ場合、ようするにアクセスポイントに電話をすればいい。ただし海外からアクセスする場合はそう簡単ではない。もちろん国際電話でふだん使っている大学やプロバイダのアクセスポイントに電話してもいいのだが、それでは電話料金がかかりすぎるし、国際電話ができないことも多い。 そこで、あらかじめその場所の最寄りのアクセスポイントを調べておいて、そこに電話することになる。アメリカのAOLやAT&T(JENS Spinnet)などは世界中のかなり地方都市にまで広くアクセスポイントを持っており、こういうプロバイダに入っておくと旅行用には便利。ただし日本のふつうのプロバイダでも、ローミングというサービスがあって、追加料金を払うと海外の多くのアクセスポイントを使うことができるようになる。 電源関係その他の周辺機器 パソコンの電池は意外にすぐに切れてしまうので、重たいが、替えのバッテリをもうひとつぐらい持っておくと安心。もちろん長期外出の場合はACアダプタは必須。国によってコンセントの形状が違うので注意。 コンセントの形状には、血液型のように O - Oceania A - America B - Britain C - Continental Europe の四種類がある。アジアやアフリカの国々では、欧米のどの国の影響を強く受けたかによって決まることが多いが、ひとつの国の中でも複数の形態が混在していることも少なくない。ちなみに日本でふつうに使われているのはアメリカタイプなので、それ以外のタイプを使う場合には変換コネクタが必要になる。 また電圧は日本では100Vレベルだが、200Vレベルの国も多い。パソコンのACアダプタの裏面を見て、200Vレベルに対応していない場合は、電圧を下げる変圧器が必要になる。また電力事情が不安定な地域に行く場合は、電圧の急な変動を緩和する安定化電源装置があると安心。コンピュータはとても繊細な機械なので、電圧が急に下がったりするだけでも壊れてしまうことがあるのだ。 その他、マウスは小さいものでもあると便利かもしれない。 |
(2004/2547-07-20 蛭川立)