フォトレタッチのためのデジタル画像の準備

■デジカメで撮影した写真

デジタルカメラで写したふつうの(JPEG形式などの)画像なら、そのままコンピュータで処理することができる。画像が保存されているメモリカードを直接、ないしカードリーダー経由で読み取るか、カメラとコンピュータを直接USBケーブルで接続する方法があるが、この場合は、コンピュータ側に読み取りユーティリティをインストールすることが必要なこともある。

本格的なデジカメで撮影したRAW画像は、「現像」という処理を経て、TIFFやJPEG形式に変換してからでないとフォトレタッチソフトでは処理できないが、Photoshop CS、Paint Shop Pro 9以降のソフトは、主要なデジカメのRAWデータをそのまま読み込むことができるようになった。

■アナログ画像のデジタル化

銀塩カメラで撮った写真は、スキャナで読み込んでデジタル化する必要がある。プリントされた写真と、もとのフィルム自体をスキャンする方法があるが、できればもとのフィルムからスキャンするほうが高解像度のデータが得られる。これは、写真をデジタル化してWEBサイトなどに載せたいだけなのか、それともフィルムが劣化する前にデジタル化して半永久的に保存したいのかという目的にもよる。

逆に、あまり高画質にこだわらないのであれば、略式の方法として、プリントされた写真をデジカメで撮影するだけでも、簡単にデジタル化をすることはできる。

もちろん、自分で撮影した写真だけでなく、本に載っている写真やポスターなどもスキャンしてデジタル化することができる。さらに、本などのテキストを画像として取り込んだあと、OCRソフトでテキストデータに変換することもできる。ただし写真でも文章でも、著作権には注意。

■スキャンの手順

かつてはプリントされた写真を読み取るフラットヘッドスキャナと、フィルム読み取り専用の高解像度のフィルムスキャナが分かれていたが、フラットヘッドスキャナ自体の解像度が大幅に上がってきたので、フラットヘッドスキャナにフィルムスキャナの機能も含まれている製品が多くなってきた。

スキャンの方法はスキャナの付属ユーティリティに依存するが、フォトレタッチソフトを使う場合は、そこからそれぞれのユーティリティを呼び出す。Photoshopの場合は【ファイル→読み込み】でスキャンソフトを起動させて、そこから読み取ることができる。

■解像度はどれぐらいが適当か?

これはもとの画像の解像度がどれぐらいかによるのでいちがいには言えない。いろいろな解像度で取り込んでみて、できあがりのデジタル画像のピクセルの大きさが銀塩写真の粒子よりも一回り小さくなるところが適正取り込み解像度となる。ただ、これは元の写真のデータを、情報の損失なくデジタル化する場合で、デジタル画像をパソコン画面上に出すことだけが目的なら、もっと低い解像度でじゅうぶんである。大は小を兼ねるというように、解像度は大きいほど良いに決まっているようなものだが、写真の枚数が増えてくると、保管に多量のメモリを消費してしまい、画像ソフトでの扱いも重くなってしまうという欠点があるので、とにかく解像度が高ければいいかというと、そうでもない。

■デジタル画像ファイルの読み込み

デジタル画像ファイルは【ファイル→開く】で開ける。【ファイル→参照】でサムネイル一覧を見ることもできるが、Windowsの新しいバージョンの場合、フォルダを開いて表示形式を、【表示→縮小版】にして必要な画像を探すこともできる。画像ファイル(*.jpgなど)をあらかじめフォトレタッチソフトに関連づけておけば、ダブルクリックしただけで自動的にレタッチ作業に入れる。

ねんのため元の画像は必ず別の場所に保存しておき、新たに作ったコピーに手を加えること。








(2549/2006-05-22 更新 蛭川 立