過去の作品
第28回 伊藤園おーいお茶 新俳句大賞
佳作特別賞
毬栗の道を忍者のごとく行き
7期生 永渕遥
洗濯物ゆつくり干して小春かな
4年 府川隼弥
鯛焼きに残る小さな歯型かな
4年 杉野夏樹
肉を焼く男の背中夏盛ん
4年 池田智美
雲ひとつ浮かべたるやう雑煮かな
4年 諸我健太
冬日和一本杉の沈黙す
3年 福本恭佑
オリオンの示す家路や午後十時
3年 長尾貴将
晴天や雲を掃くかの稲の波
3年 不動陸
筆箱にそつとしまはれ赤い羽根
3年 魚田宏明
冬探しペン握る手の定まらず
3年 常見達彦
2012年度【第9回青春俳句大賞】
最優秀賞
大阪の雨止まぬまま多佳子の忌
三年 藤本智子
優秀賞
夏雲や龍となりたき鯉跳ねる
三年 倉田愛良
渾身の止め撥ね払い筆始
二年 柏原開
入選
模擬店のテーブルクロス秋の夕
三年 宍戸直樹
肉体の縁定まらぬ昼寝覚
三年 藤本智子
夏草の軍に残る匂ひかな
三年 宍戸直樹
行く夏や水切り石の三つ跳ね
三年 倉田愛良
黒板に長き数式半夏生
三年 倉田愛良
真っ白な壁紙の部屋金魚飼ふ
三年 倉田愛良
響きたる青水無月の弓の音
三年 倉田愛良
2013年度【第10回青春俳句大賞】
審査員特別賞(大石悦子選)
夏空に飛び立ちさうな高速路
二年 相原暢
入選
光るまで磨く黒靴原爆忌
四年 藤本智子
心臓も脳も肉塊そぞろ寒
四年 藤本智子
雪だるま作りて少し父に似る
四年 倉田愛良
水平線遠くに鯨跳ねる影
四年 青木拓也
紺碧の背で割り開き鯨かな
四年 中島萌
秋の蜂黄色いシャツにしがみつく
三年 柏原開
春の水大き水車を回したり
三年 臼井啓晃
玉川の嵩増す雨や桜桃忌
二年 東拓徳
第25回 伊藤園おーいお茶 新俳句大賞
都道府県賞
風船の中に童心置いてゆく
4期生 柏原 開
佳作特別賞
まだなにも知らぬ素足のやわらかさ
4期生 谷口佳奈
草刈の残る匂ひを深呼吸
5期生 石坂大
秋の宵残り二枚のカレンダー
6期生 山田晃嗣
柔らかに撫でたくなりし祖母の猫背
6期生 二宮良太
2015年度 【第12回青春俳句大賞】
最優秀賞
河童忌や蓋の開かぬインク瓶
四年 岩田麗加
JTB特別賞
祖父の声荒々しくて祭獅子
三年 高橋一駿
入選作品
風光る漁師の声のよく跳ねて
三年 二宮良太
灯台やふもとに春田抱へたる
四年 清水寛子
秋雨や図書室の本にほひたる
四年 浜崎雄輝
春めくや巫女の片耳あらはなる
四年 相原暢
一粒の確かな重みぶどう狩り
三年 二宮良太
手をつなぐ影やコスモス揺れてをり
四年 相原暢
亀鳴くや封を閉じたるラブレター
四年 相原暢
ビー玉を撒きて涼しき座敷かな
二年 桑山里紗
牧場を散歩する犬秋日和
三年 佐々木美友
黒南風の抜けるシャッター通りかな
三年 河西宏允
第一回「千代田区を詠む」句会
優秀賞
日本という国を吸い込む武道館
四年 大畑輝星
むせかへるほどの古本雲の峰
三年 桑山里紗
凩やスーツの集ふ喫煙所
三年 永渕遥
笑わぬ皇居の桜寄り添えり
四年 片岡祐紀
左手に古本右手にカレーかな
二年 池田智美
東京駅父の背中の遠くなり
四年 佐々木美友
2016年度 【第13回青春俳句大賞】
優秀賞
白秋忌母校の歌を口ずさみ
四年 高木雅敏
選考委員特別賞(大峯あきら選)
ただ空を見上げるばかり敗戦忌
四年 山本悠生
入選作品
秋うらら一筋白き馬の鼻
三年 田之頭奈佑
夜行バスひとりぼつちの聖夜かな
四年 佐々木美友
たんぽぽと言へば弾める心かな
二年 阿部茉佑子
春深しごろりと重きゆでたまご
三年 桑山里沙
後の月鼻緒のゆるき草履かな
四年 町田英哉
第27回 伊藤園おーいお茶 新俳句大賞
佳作特別賞
夏休み金管楽器のよく響き
6期生 河西宏充
冬銀河あなたの歩幅狭くなり
7期生 白崎絵
土手で吹くフルートに蝶導かれ
7期生 大竹崇寛
物陰を求めて猫の一人旅
4年 小端佳那
この距離も縮まるほどの冬銀河
4年 池田智美