明大航空部とは?

  グライダーの操縦訓練をメインにいろいろな活動をしています。歴史は古く、創部は昭和5年で、体育
 会に属しています。明大航空部の特徴は専用の滑空場があることです。
  学生の航空部で、合宿所や格納庫をはじめ滑走路まで自前で管理しているのは、おそらく明大航空
 部だけです。

活動内容

  明治大学体育会航空部はグライダーという滑空機で活動を行っています。   活動内容のメインはグライダーの操縦訓練で、部員の多くが大学に入ってからグライダーというものを  知り、毎年4月を中心に行われる体験搭乗会で、実際にグライダーに乗って飛んで空に上がって初めて  グライダーという世界を体験します。


  グライダーは基本的に動力装置を装備していないので、離陸するためには、飛行機やウィンチ(以下参  照)によって外部からエネルギーをもらって上昇させます。その後、性能のよい紙飛行機を飛ばした時の  ように、少しずつ降下しながら飛行します。滑空比と呼ばれるグライダーの性能をあらわす数値があり、  現在最高性能のグライダーは60以上という性能をたたき出しています。それはすなわち、 100m降りる間  に6000m進むことができるということです。1000m降りる間に60kmということです。


  明大航空部が使用しているグライダーは、乗りやすさを重視している関係で滑空比の数値は35程度ですから、1000mの高度を使って35kmほど進める計算になります。


  実際には安全のためのマージンを十分にとるので、その半分程度だと思っていただければ良いので すが、埼玉県春日部市の郊外にある宝珠花滑空場から離陸して、春日部駅や東武動物公園、千葉県 の野田市や茨城県の境町などの上空などまで進出することは、グライダーの免許を取得するような腕 前になれば比較的容易です。その後の練習によってさらに腕前をあげれば、群馬県や栃木県まで飛ん でいくことも十分可能なのです。

グライダーとは

  グライダーの競技では、その日の気象条件によって定められたポイントを、いかに早く回って帰って来れるか、という事を競っています。速く遠くに飛ぶためには、高度を素早く得なければなりませんし、早く上がるためには「上昇気流」と呼ばれる、鉛直方向に吹く風を捕まえて、鳥が羽ばたかずに空高く上昇し、いつまでも飛んでいるようにならなければなりません。


  上昇気流にはいろいろな種類がありますが、ここではその一部を紹介しましょう。   サーマル(熱上昇気流)とは、日射によって地面で暖められた空気が浮力を生じて、上へとのぼっていく現象です。よく見られる綿のような雲は、気流が上昇し露点に達して水蒸気となったものの集まりです。ですからサーマルに乗るときは上空の雲も一つの大きな目安となります。


  上昇気流に乗ったグライダーは通常毎秒1〜2m、強い上昇気流の場合には毎秒3〜5mもの勢いで上空へ上がることが出来ます。サーマルの多くは円柱状になっているので、サーマルに遭遇したからといってまっすぐに飛んでいたのでは、サーマルを逃してしまうことになります。そこでグライダーは、サーマルにとどまるために、昇降計とパイロットの五感をフルに働かせて、サーマルの中でも特に強い上昇部分を探します。そこで、旋回技術が重要になり、低速で小さな旋回をグルグル繰り返して、サーマルのもっとも強い部分にとどまり続けることで、素早く上昇できます。


  ウェーブ(山岳波)とは、サーマルよりも高高度を飛行する際によく利用される上昇気流です。大気の上層部では、地表付近より高速で風が吹いていることが多く、その風が高い山に接すると、整えられていた気流の流れが乱されて波打ちます。その波打った気流の上昇部分にうまく入ると、サーマルとは違った感覚でどんどん上昇できます。山脈にそって平行に滑空しているだけで高度を失うことなく上昇しながら前進することも出来るので、長距離飛行記録に挑戦するときなどにも良く利用されます。日本は山国ゆえウェーブの宝庫であり、500km以上もの長距離を飛べることが、国内のパイロットによって証明されています。

ウィンチって?

  グライダーは飛行機やウインチによって曳航(えいこう)されます。(当部では主にウインチを使っています。)


  ウインチとはグライダーを離陸上昇させる、曳航索(えいこうさく)巻き取り装置で、曳航方法は凧上げの原理と同じです。ウインチが人間、グライダーが凧、凧糸はウインチとグライダーを結ぶ索(ワイヤーロープ)です。  明大航空部で使用しているウインチには、7400ccのガソリンエンジンが搭載されていて、ウインチが索を巻き取ると、ちょうど凧が上がっていくのと同じような感覚でグライダーは離陸し、上昇していきます。


  グライダーの上昇角はおよそ40度、曳航速度はおよそ100km/h、上昇率は平均約7m/s、最大で約10m/sもの勢いで上がり、約1分ほどで索を離脱し、その後滑空に移ります。

訓練合宿について

  メインはフライト合宿です。春休み、夏休み、冬休みに一週間程度の合宿があり、それ以外は土日で合宿を行ないます。


  1年生は復座機で練習し、早い人で1年の冬には1人で飛べるようになります。2年生のうちに学科試験に合格し、操縦の技量もさらに向上させ、早い人は3年生で自家用操縦士(滑)上級の免許を取得し、4年生で大会に出場します。


  フライトのほかに、大学が長期間の休みになる夏休みと春休みに整備合宿を行い、航空部で使用する機体やウインチを始めとする機材や、滑空場などの整備を自分たちで行ないます。また、1998年より東京六大学対抗グライダー競技会に出場するようになりました。


  グライダースポーツの特性として、上空に上がってしまえばたった一人ですべてを判断しなければならない反面、地上に於いては誰かの力を借りないと何もできないという点があります。チームスポーツであり個人競技でもあるのがグライダースポーツであり、このスポーツを通して学べることは、とてもたくさんあります。


  グライダーは法律上もれっきとした航空機であり、小型機やヘリコプターは勿論、飛行船や旅客機とも立場を同じくする乗りものですから、それを運航するということは、航空会社が行っていることとイコールでは無いにしろ大きく違うものではありません。グライダーの白く長いスマート翼と胴体から受ける華やかな印象とは違って、グライダーを飛ばすということには泥臭い面も多いのですが、だからこそメリハリがあって面白い、とも考えられます。


  ほとんどの人が大学から始めるスポーツなので、最初は誰でも同じ条件です。ただ何となく人とは違った面白いことがやりたい人も、グライダーを駆って空を縦横無尽に飛び回りたい人も、明大航空部は大歓迎です。キャンパスやインターネットでは、そのすべては伝えられません。まずは飛んでみないと始まらないので、ぜひ一度、宝珠花滑空場に足を運んでグライダーに搭乗し、無限の可能性を秘めた空を経験してみてください。