試料として市販液全卵を使用した。これをジュール加熱(20kHz,300-350V)にて60℃、3.5分間加熱殺菌処理を行った (Joule)。比較対象として、間接加熱処理された市販液全卵を用いた (Indirect)。各液全卵(Native、Joule、Indirect)の熱変化を示差走査熱量計(DSC)にて測定した。また、Rapid Visco Analyzer(RVA)にて粘度測定を行い、レオメーターにて動的粘弾性測定を行った。調理特性として、熱水(90℃)に液全卵を投入した様子を確認し、形成した構造物を走査型電子顕微鏡(SEM)にて微細構造観察を行った。
【結果】DSCの結果、NativeとJouleの吸熱ピークが60℃、67℃、78℃に現れたのに対し、Indirectは60℃に吸熱ピークが現れなかった。RVAの結果、25℃及び80℃での粘度はNative≒Joule>Indirectとなった。また、NativeとJouleにて62℃付近に粘度の増加が見られた。動的粘弾性試験(温度スイープ)の結果G’、G”値が80℃まではNative≒Joule>Indirectであったが、85℃以降ではNative≒Joule