歩留まり測定の結果、無添加チーズに対するTG添加チーズの歩留まり比は、TG添加量の増加に伴い上昇傾向にあった。水分測定の結果、歩留まりと水分に正の相関が見られた。SDS-PAGEの結果、TG添加により濃縮用ゲルに入らない高分子タンパク質のバンドを生じ、架橋が確認された。破断強度試験の結果、TG添加量の増加に伴い破断点が高歪率高応力へシフトした。歪65%圧縮時では、TG添加によって亀裂が大きくなり本数が減少し、少ない数の大きな破片が形成された。SEMによる観察ではTG添加によってネットワーク構造の変化が見られた。破壊時には亀裂の先端部分において、TG添加、無添加で壊れ方の違いが見られた。以上の結果から、フレッシュチーズにTGを添加することでタンパク質が高分子化し、ネットワーク構造を強化することが明らかになった。これによりチーズ内に保持される水分量が増加し歩留まりが向上した。また、もろくやわらかい食感から壊れにくくかたい食感へ変化したと考えられる。