2015年8月 日本食品科学工学会(京都大学)

エアイングミキャンディの作製〜気泡の物性とアロマリリースへの影響〜

○小野円香1、西野洸貴1、林佳絵1、上川理絵2、中村卓1(明治大農・農化1、明治大院農・農化2)

【目的】

グミキャンディのおいしさの要素として、食感と風味は非常に重要である。これまでの研究で、多糖類を添加することで食品構造が変化し、物性やアロマリリースが変化することが明らかとなっている。本研究では、気泡安定能のある多糖類である結晶セルロースを添加、攪拌することで新たな物性のエアイングミキャンディを作製した。また、物性とアロマリリースに及ぼす気泡の影響を明らかにすることを目的とした。

【方法】

多糖類として結晶セルロースを添加し、ハンドミキサーで(15秒、30秒、60秒)攪拌し、エアイングミキャンディを作製した。また、作製したものについて、クリープメーターによる破断強度試験、X線CTによる構造観察、ガスクロマトグラフィーによる合成グレープフレーバーのアロマリリース測定を行った。

【結果】

X線CTによる構造観察の結果、結晶セルロースを添加することで、気泡が偏ることなく均質に存在している状態が確認でき、エアイングミキャンディを作製することができた。また、密度は攪拌時間が長くなるほど低下した。破断強度試験の結果、エアイングミキャンディの破断点はゼラチン単独のグミキャンディと比べて低応力、高歪率を示した。また、攪拌時間が長いものほどこの傾向は大きくなり、破断応力と密度には相関が見られた。アロマリリース分析の結果、レトロネーザルをイメージした測定で、ゼラチン単独よりもエアイングミキャンディのアロマリリース量が高くなった。以上の様に、気泡を保持させることで新たな物性とより強いアロマリリースを示すグミキャンディを作製できた。