官能評価の結果を主成分分析すると、柿の種は異なる食感を持つ4つのグループに分かれた。Aは第一主成分が正、第二主成分が負の位置となり、第一主成分を挟んでCと線対称の位置関係になった。一方Fは第一主成分が負、第二主成分が正の位置となり、第二主成分を挟んでCと線対称の位置関係となった。また、B,C,Dは第二主成分が負であり、原点の周辺に集まった。主成分分析の結果からA,C,E,Fの柿の種に絞り込み、構造観察を行った。その結果、どの柿の種も、中心の空洞を覆う壁のような構造が観察された。Aは壁が薄く空洞が大きい構造、Cは壁が薄く密な構造、Eは壁が厚く空洞が小さい構造、Fは壁が極めて厚く空洞が小さい構造が見られた。これらの結果は主成分分析の結果と相関が見られ、第一主成分が壁の厚さ、第二主成分が空洞の大きさと対応していると考えられた。さらにA,C,E,Fについて破断強度試験、AE試験を行い、力学的パラメーターについても官能評価の結果との相関を考察する。