13%,9.75%,6.5%の卵白溶液(E)と、3%,2.25%,1.5%濃度の寒天溶液(A)を作製した。これらの溶液を13%-3%、9.75%‐2.25%、6.5%-1.5%の系とし、両溶液を混合した。この混合溶液を95℃で10分間加熱、氷水中で10分間冷却した後、6℃で一晩冷蔵しゲルを作製した。このゲルについて、クリープメーターにて破断強度試験を行った。構造観察として、共焦点レーザー顕微鏡を用いて、タンパク質の分布観察を、さらに、走査型電子顕微鏡を用いて微細構造観察を行った。
【結果】【結果】13%-3%および9.75%-2.25%の系では、卵白-寒天の配合比率を変化させることで、μmオーダーの相分離構造が観察された。寒天比率の上昇につれ、卵白連続相から、両連続相、寒天連続相へと相転移した。また、破断強度試験の結果、寒天比率の上昇につれ破断点が低応力低歪側へシフトした。一方、6.5%-1.5%の系では、破断点が寒天比率の上昇につれ低応力低歪側へシフトした。しかし、寒天濃度0.53%以上では破断点が低歪側へシフトしたが、応力は一定となった。構造観察より、nmオーダーでの相分離が観察され、寒天比率の上昇とともに、ゲルのマトリクスが卵白から寒天へ変化する、ミクロ相分離構造であることが明らかとなった。以上のことから、破断点の推移が異なるのは、ミクロからマクロへ相分離構造が変化したためと考えられる。
1)日本農芸化学会2011年度大会講演要旨集p.230