市販ロングパスタ10種の中から特徴のあるパスタ4種を選び、以下分析した。まず、水分吸収量(茹で後重量/茹で前重量)の分析をするため、パスタを0.5%NaCl溶液で茹で、1〜14分の各1分毎にパスタを取り出し、重量を測定した。同時に、長さと直径も測定した。その結果から、水分吸収量の値が2.1, 2.3, 2.5, 2.7になる時間を決定した。それらパスタについてクリープメーターにて破断試験を行い、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)によりパスタ縦断面の構造を連続的に観察した。
【結果】全てのパスタにおいて水分吸収量は時間と共に増加した。しかし直径は、5分までは増加し、その後変化は見られなかった。長さは、5分までは変化は見られず、その後増加した。一方、破断試験においては、全てのパスタで水分吸収量が増加するにつれて破断点が推移し、その推移は4種のパスタで異なっていた。CLSM観察においては、澱粉粒の形が、中心部分・中間部分・端部分で異なっており、水分吸収量が増加するにつれてそれぞれの部分の比率が変化した。また、4種のパスタで各部分の比率の推移が異なっていた。この厚さの比率と破断点の推移に関連が見られ、端部分の厚さの比率が増加すると破断歪率も増加し、中心部分の厚さの比率が減少すると破断荷重も減少することが明らかとなった。