最終濃度がジェランガム(0.3%)澱粉(2.5%,5%,10%)になるように調整した。ジェランガムを95℃で溶解、55℃に冷却後澱粉を添加、懸濁させた。0.04%になるようCaを添加後、A:直ちに氷水中で冷却(未糊化,ゲル化)、B:95℃で10分加熱した後氷水中で冷却(糊化→ゲル化)、C: 10分氷水中で冷却後95℃で10分加熱し再び冷却(ゲル化→糊化)。以上のように加熱冷却履歴の異なる3パターンのゲルを澱粉種と濃度を変えて作製した。これらの混合ゲルについて走査型電子顕微鏡を用いて微細構造観察、クリープメーターを用いて破断測定を行った。
【結果】加熱冷却履歴の異なるゲルで微細構造の違いが観察された。澱粉10%濃度では、A,Cにおいてジェランガムがゲルのマトリクスとなるネットワークを形成していることが観察されたが、Bでは観察されなかった。破断測定において、応力ひずみ曲線がA,Cはジェランガム単独とほぼ同じ立ち上がりであったが、Bは低かった。以上より、澱粉10%濃度では、先に澱粉が糊化した場合、膨潤した澱粉がジェランガムのネットワーク形成を阻害したため、ゲルの応力が低下したと考えられた。このことから澱粉糊化の順序の違いが異なる食感を与えることが明らかとなった。澱粉種と濃度の異なる場合についても、共存ゲルの構造と物性への影響について報告する。