明治大学 理工学部 建築学科 建築環境工学研究室 
  Sakai Laboratory, Department of Architecture, School of Science & Technology, Meiji University
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建築環境工学研究室(前身は建築計画原論研究室)

   担当教員  在職期間  
   渡辺 要   1949〜1961年度  兼任教授,東京大学
     1962〜1971年度  専任教授
   貝塚 正光  1972〜1975年度  専任講師
     1976〜1986年度  専任助教授
     1987〜1993年度  専任教授,1994年1月逝去
   加治屋亮一  1970〜1977年度  専任助手,建築設備研究室と兼務
     1978〜1995年度  専任助手
   松尾 陽  1994〜1995年度  兼任教授,東京大学
     1996〜2005年度  専任教授,東京大学名誉教授
   酒井 孝司  2006〜2007.3  専任助教授
     2007〜2009.9  専任准教授
     2009.10〜現在  専任教授

  研究室の沿革
 本研究室は,建築計画原論(建築環境工学)の泰斗であられた渡辺要教授(東京大学)により1949年に創設され,以降,貝塚正光教授(東京大学),松尾陽教授(東京大学),酒井孝司教授(明治大学貝塚研)によって継承され,今日に至っている。

 研究室の名称「建築計画原論」は渡辺要先生が名付けられ,著書名としても名高い。渡辺先生逝去後,後任となった貝塚正光先生も,この分野の先駆者である渡辺先生の名誉に敬意を表し,建築計画原論研究室の名称を継承していた。一方,日本建築学会では,1965年頃から計画原論の替わりに「環境工学」という名称が用いられ,1980年代には,環境工学のほうが一般的な呼称となっていた。1989年の理工学部発足に伴い,研究室の名称が「建築環境工学研究室」に変更された。

 貝塚正光先生は,在職中に180余名の卒業生,15名の修士を輩出している(リスト準備中)。1989年3月に岩本静男先生(現,神奈川大学教授),1995年3月に酒井が学位を取得している。現在,設備設計演習の兼任講師を担当されている須藤俊彦先生(現,日建設計総合研究所)は,貝塚研OB(1975年3月卒)である。
1978年頃に加治屋亮一先生(1970年より在職)が,建築設備研究室(篠原隆政教授)から貝塚研に移籍し,1995年度まで専任助手を務められた。1996年に専任講師に昇格し,建築環境デザイン研究室を創設された(2009年3月学位取得。現,専任准教授)。

 松尾陽先生は,在職中に100余名の卒業生,○○名の修士を輩出している(調査中)。2005年3月に久保隆太郎氏(現,日建設計総合研究所),2006年3月に村田泰孝氏(現,崇城大学助教)が学位を取得している。なお,松尾先生は,渡辺先生時代に明大の兼任講師をされていたそうである。

 酒井は,1992年3月に修士(貝塚研)取得後進学し,1995年3月に学位を取得した。なお,貝塚先生が逝去されたため,狩野芳一教授(主査),山田由紀子先生(副査),坂上恭助先生(副査),松尾陽先生(副査)にご指導いただいた。学位取得後,熊本大学工学部の石原修先生(2010年3月退官。現,尚絅大学教授)の助手となり,石原先生に実現象の解明方法をご教授頂きながら,環境共生住宅の温熱環境や住宅への太陽エネルギー利用,蓄熱空調システムの開発に関する研究に従事した。2001年10月に大分大学に転任(専任講師,助教授)し,熊大との共同研究や,CFD解析の研究と,熱・空気環境の教育を行った。2006年4月から現職。

研究について
 建築環境工学は,建築物内外の熱,空気,光,音などに関する物理的,生理的,心理的現象を解明し,建築と設備によって構成される環境の設計,制御,評価等に役立てようとする分野である。学問体系は,渡辺要先生により,その礎が築かれた(渡辺要:建築計画原論T〜V)。貝塚研では,主として室内の空気と熱移動に支配される温熱環境の数値予測に関する研究を行っていた。なお,貝塚先生と松尾先生は,明大着任以前より,室内気流の数値解析法(数値流体力学:CFD, Computational Fluid Dynamics)の確立に先駆的に取り組み,多くの研究成果を残されている。また,貝塚先生,松尾先生,坂本雄三先生(東京大学教授)らは,1970年頃にCFDに関する研究会(現,「流れの会」)を発足された。以降,流れの会の活動は,現在まで継続されている。松尾先生は,CFDの他,日射解析,動的熱負荷解析等の研究を行われた。現在(酒井)はCFDを主軸に据え,実現象の実測,模型実験と数値解析の比較を行い,温熱環境の数値予測法の確立を目指している。

OB会について
 篠原先生の教授昇格を機に,篠原研究室OBを中心として,建築設備研究室,建築計画原論研究室のOB会「水曜会」が結成されて以来,貝塚研,坂上研,松尾研,加治屋研,酒井研,上野研の環境・設備系研究室全て卒業生を包含して,水曜会の活動が引き継がれている。現在は,総会・講演会(例年6月),見学会,ゴルフコンペ,新ゼミ生交流会,会報発行等を催している。これらの事業を通して,会員相互の親睦や,OBと学生の交流が行われている。
 
   (20100515酒井)