べん毛の研究

サルモネラ菌などのべん毛細菌は、粘性媒体中を活発に運動 しながら温度や栄養分濃度のわずか な勾配を検知して、より良い環境を求めて移動し続ける。その運動にはべん毛と呼ばれるらせん型の 細長い毛を回転させることで水中を泳ぐ。体長2ミクロンほどの細菌が直径20ナノメートル程で長さ10 数ミクロンにもなる螺旋形の毛を毎分2万回転ほどの高速で回転し推進力を発生する。その速度は水 中でおよそ毎秒20ミクロン、つまり一秒間に体長の10倍ほどの距離を移動する。自動車の大きさなら 時速160kmに対応する。この推進力を生み出すためにべん毛の根元には細胞膜に埋まっているタン パク質でできたモーターがあり、べん毛はこれによって回転させられる!このモーターは固定子と回転 子が完全に離れており、永遠に一方向に回転することができる(人間の首や腕が回るのとは違う!)。 生命体でありながらこのようなまるで機械仕掛けの組織を持っていることは非常に興味深いが、こうい ったタンパク質でできた機械(分子機械と呼ばれる)は生命体のありとあらゆるところに存在し、その生 命機能の維持のため日々働いている。つまり人間も結局はロボットと同じく機械仕掛けで動いているのだ! (精神や心といったものはそのシステムの複雑さの中から生まれ、また別の議論となる)バクテリアの べん毛モーターを解明することはそういった生命の根本を理解することに貢献すると考えられ、研究が盛んに行われている。 もうひとつ、べん毛モーターで興味深い点、それはエネルギー効率が100%に近いことである!! (車やエアコンのエネルギー効率を調べてみてください)






サルモネラ暗視野写真
ハロバクテリアの
暗視野顕微鏡像


サルモネラ菌の電子顕微鏡写真
サルモネラ菌の電子顕微鏡像