タンパク質を用いたナノ素子の研究


半導体の微細加工技術の進歩により、トランジスタを集積したICからLSI、VLSIと進んできた半導体作製技術は、 微小化に限界があることが明らかになってきた。そこで全く新しい方法として、タンパク質を用いたパターン作製による 半導体作製技術の確立を目指した。生体内で機能構造体を作るタンパク質は、ナノメータサ イズの大きさで様々な機能を持っている。タンパク質の一つであるアポフェリチンは、直径約 13nmの球状タンパク質で、中心部に空洞を持ち、その直径は約6nmである。生体内で鉄が過剰になると アポフェリチンは空洞内に直径6nm程度の鉄のコアを作り、フェリチンとなる。この機能を使い、鉄以外の金属を空洞内に導入 し、フェリチンを2次元結晶化することで、ナノメータサイズのパターン作製が可能となる。また フェリチンとよく似ていてより小さいDpsと呼ばれる蛋白質についても同様の研究を行っている。



フェリチンの二次元配列
(イメージ図)



シリコン基板上に配列させたインジウムのナ ノ粒子
(走査顕微鏡による2次電子像を立体的に表現)



鉄フェリチンの二次元結晶
(透過型電子顕微鏡で撮影)