授業紹介


演習T(東洋史) [2007カリ:演習T(アジア史)]

担当教員:永田

3年 西口優子

 アジア史専攻では一年次の基礎演習から、漠然とではありますが、卒論のテーマを意識しながら学習を進めていきます。そしてそれらをもとに、より具体的に卒論のテーマを絞って各自の研究、発表をしていくのが、この演習Tです。
 永田ゼミはその研究対象が、西アジア、南アジア、東南アジアと地域時代ともに多岐にわたります。したがって史料を読むために必要な言語も多岐にわたり、英語のほかにトルコ語などの履修科目以外の言語を学習する学生も少なくありません。各自の地道な努力が求められますが、広い地域から自分の興味のおもむくままに、研究対象を選べるのが、このゼミの魅力です。また、授業形態もゼミ生がそろって一つの史料を講読するといった形式ではなく、毎回各自の発表がメインになります。前半は永田先生と相談しながら、先行研究の論文を選び、そのテーマを選んだ理由や、これからの方向性を交えて発表を行います。今年のゼミ生は17人と多めですが、多種多様な発表はとても興味深いもので、毎回質問や意見が飛び交います。そして、この発表を夏期休暇中に論文形式にまとめ、後半はいよいよ卒論準備にとりかかります。
 テーマ設定や方向性に悩むこともありますが、学生生活の集大成である卒論に向け、私たちはお互いに相談し合い、刺激し合いながら研究を進めていきたいと思っています。


文献講読(東洋史)A [2007カリ:文献講読(アジア史)A]

担当教員:高田

テキスト『民国時期社会調査叢編』表紙

テキスト『民国時期社会調査叢編』表紙

3年  飯島諒朗

  この授業は近代中国の史料を中国語で音読し、そのあと音読したところを訳していく作業を発表形式で行います。
 今学期は、「社会調査―沈家行実況」という今から80年前の上海の沈家行という村の状況、村における学校設立の過程と運営についての史料を読み込みました。そこから、当時の沈家行の村人達は彼らの子どもたちに教育を受けさせるほど教育熱心であることや、学校創立の際は学校の土地を探し出すのさえも苦労したことなどがわかりました。また、放課後に学校の空き教室を使って村民の授業を行う点は現在の学校開放と通じる点があり興味深かったです。
 この授業を通して歴史史料を紐解くことを経験することで、当時の人々の考えを理解でき、また予想もつかない事実も知ることができます。事前の予習、特に訳は一カ所役仕方を間違えると文全体の意味が変わってしまうので、慣れないと大変です。ですがこの授業にはそれだけの価値があります。


史料演習(アジア史)

担当教員:寺内


基本的な漢文の読みを学ぶ


基礎演習(アジア史)

担当教員:氣賀澤

1年 駒宮彩香

 この授業では東アジア史、とくに中国史を中心に、今後アジア史を研究していくために必要となる基礎事項を学んだり、漢文資料の読解演習を行ったりしています。
 基礎とはいっても、漢字の歴史や構造、二十五史の成り立ちなど、受験レベルからは一歩踏み込んだ専門的な内容であり、中国史や東アジア史に興味のある方であれば関心を持って聴くことができるはずです。また、漢文資料も韓非子や諸葛孔明の「出師の表」など我々にも馴染み深いものであり、楽しんで取り組めます。
夏休みには「三国志」を自由に取り上げて研究する課題が出ました。その成果は、秋に一冊の冊子にまとめられると聞いています。また博物館見学や遺跡見学も計画されています。
授業においては個人のプレゼンテーションを行う場が設けられ、また少人数の授業(ゼミ)であるため発言の機会も多く、自主性が求められ、真剣に臨めば大いに成果が得られるでしょう。クラスの人たちは皆顔見知りであり、和気あいあいの中で学んでいます。
このように史料の原文に触れて精読したり、中国史や東アジア史を勉強する十分な時間を持てる授業です。これも大学生の特権だと思うので、熱意を持って取り組んでいこうと私は思っています。


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