建築は、人間の原始から続く芸術であり技術です。特に人の住む「住宅」は建築の基本形ですが、この中に建築学のすべてのエッセンスがあります。まず雨露を防ぐためには屋根や壁が必要であり、そのためには地震にも耐えられる構造工学の考え方や、何で造るかといった材料や工法の知識も必要です。そして人が生活することを考えた場合、暑さ寒さのコントロール、トイレ、風呂などの給排水、照明、音などといった環境や設備工学の知識も必要となります。
しかし、それだけではまだ足りません。家族のような集団がどのような大きさの空間をどう使うかといった計画学の知識も必要です。またラスコーの洞窟絵画のように、人間は古代から自分の生活空間の中に文化や芸術的感覚を必要としてきました。家具やインテリア、建物の外観イメージなどを扱う意匠学、歴史を扱う建築史、町並みや都市、地球環境の知識も必要となります。
このように建築学の分野は大変幅広く多様なものです。もし自分が建物を設計したいと考えた時には、どれ一つとして不必要な知識はなく、単に実学だけでなく、幅広い知識と教養を培う必要があります。
明治大学の建築学科を語るときにはずせないものがこの明治大学生田ゲストハウスです。
この建物は、学術国際交流活動の活性化のため、海外研究者用の宿泊施設として、建築学科の教員で構成された「明治大学ゲストハウス設計・監理ワーキンググループ」の設計・監理のもと建てられました。
同グループは、教育的な効果を最大限に考えて学生たちが積極的に参加できる体制を整え、最初の基本計画については「実施を前提としたアイディアコンペ」を行い、広く学内から他院を募りました。大学院生を中心とした学生たちは、実際に、実施設計から工事管理、時にはコンクリート打設時の型枠たたきまで参加しています。
建築学教室が設計・監理を大学法人から委託されたこと自体、異例なことですが、このように教育の現場で学生たちが直接参加して身近に設計や工事監理に触れたケースは国内においても事例が少なく、特筆に価するものです。これは、常に新しいことにチャレンジし続ける明治大学建築学科の精神を表しています。


建築学科には大きく分けて、「構造・材料」系、「環境・設備」系、「歴史、意匠、計画」系の三つの学問分野があります。これらは「授業」と「演習」という形で、毎年レベルを上げて学べるようにカリキュラムが組まれており、最後に「卒業研究・設計」という形で自分の選んだテーマに沿った論文や作品を作成します。特に、建築学科の履修システムの最大の特徴はどの分野の授業も自由に選択して学べる点です。学生達は自分で将来の進む方向を考え、そのシナリオに従ってカリキュラムを組むことができます。
学科専門科目の履修モデル
必須科目 選択必須科目
| 建築学基礎課程 | 建築学専門導入課程 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | ||||||
| 前期 | 後期 | 前期 | 後期 | 前期 | 後期 | 前期 | 後期 | ||
| 総合 | 建築学概論 | 建築と社会 | |||||||
| 研究 | 卒業研究・設計1 | 卒業研究・設計2 | |||||||
| セミナール1 | ゼミナール2 | ||||||||
| 建築設計演習・ 実習 | 設計 | 図形科学 | 建築設計1 | 建築設計2 | 建築設計3 | 計画・設計スタジオ1 | 計画・設計スタジオ2 | 計画・設計スタジオ3 | |
| 造形 | 造形演習1 | 造形演習2 | |||||||
| 実習 | ジョブインターシップ実習 | ||||||||
| CAD | 情報処理・演習1 | 情報処理・演習2 | |||||||
| 情報処理 | 情報処理1 | 情報処理2 | |||||||
| 建築・ 都市デザイン分野 | 建築史 | 近代建築史 | 西洋建築史 | 日本建築史 | 古建築実習 | ||||
| 建築意匠 | 建築デザイン概論 | 住環境デザイン論 | 建築設計論 | 建築意匠論 | ランドスケープ | ||||
| 建築・都市プランニング
& マネージメント分野 |
建築計画 | 建築計画1 | 建築計画2・演習 | ||||||
| 都市・地域計画 | 都市計画 | 地域計画 | 環境計画 | ||||||
| 建築構法・ マネージメント |
建築構法1 | 建築構法2 | 建築マネージメント | ||||||
| 環境エンジニアリング分野 | 環境原論 | 建築環境概論 | 建築熱・空気環境1 | 建築熱・空気環境2 | |||||
| 建築光・音環境1 | 建築光・音環境2 | ||||||||
| 建築環境実験1 | 建築環境実験2 | ||||||||
| 環境設備 | 建築設備概論 | 給排水衛生設備 | 空気換気設備1 | 空気換気設備2 | |||||
| 設備設計・演習 | 環境設備実習 | ||||||||
| 構造・材料分野 | 構造力学 | 固体の力学 | 応用力学1 | 応用力学2 | 構造力学1・演習 | 構造力学2 | 構造物の原理と解法 | ||
| 建築構造 | 建築構造デザイン | 建築構造概論 | 鉄筋コンクリート構造 | 構造性能論 | |||||
| 鋼構造 | 木質構造 | ||||||||
| コンピューター構造工学 | |||||||||
| 建築構造実験 | |||||||||
| 建築材料・ 施工 |
建築材料1 | 建築施工 | 建築材料2 | 建築材料設計 | |||||
| 建築材料実験 | |||||||||
