日銀フィールドワークQ&A
1.政府の干渉が弱まったことについて
過去の金融危機の中で、政府は日銀に金利を下げさせることにより円高の状況を打破しようとした。しかし、日銀は、低金利が続いた後の経済不況のことを考え金利をあげたかった。現在の不況はここに原因があるといっても過言ではない。このことから、日銀が政府から独立することの必要性が唱えられるようになり、日銀法改正に至った。
現在の政策委員会では、9人中(総裁1人、副総裁2人を含む)政府の人間は2人しか出席できず、投票拳はない。
2.お札について
・何故、何種ものお札が存在するのか?
それぞれに使い勝手が違う。
使い手のニーズが違う。
・お札の人物の決め方は?
政府が選ぶのだが、はっきりした基準は無い。
写真をもとにしたものを選ぶ。(聖徳太子は絵だったため偽造されやすかった)
3.三井との現在の関係は?
人的つながりも資本の関係でのつながりもない。
4.二千円札の流通状況は?
使い勝手が悪いということから、使ってくれる人が少ない。そのため、日銀社員が率先して流通を促そうということで、社員の給料には二千円札が使われている。
しかし最近では、ATMや自販機などでの対応ができるようになっているので、今後は期待できそうである。
5.日銀社員の給料について
現在は現金支給であるが、近々銀行振込になる予定。
6.人事について
・日銀で働くためにはどうしたらいいのか?
普通の企業と同じで、普通に就職試験を受ければいい。
・日銀に外国の人はいるのか?
金融研究所に2,3人いる。
・女性キャリアの場合は?
大卒者が毎年20人ぐらい入社する内、4,5人は女性で、短大卒の人もいる。
7.景気についての対応は?
日銀はゼロ金利政策をとり、政府も財政政策を行っている。景気を回復させるには、銀行が不良債権を完全に無くすことが必要条件である。
8.SONY銀行等の都市・地方銀行についてどう思うか?
規制緩和によって銀行の免許が簡単に取れるようになったため、SONY銀行のような1つのところに特化する銀行が増えてきたのは悪いことではない。ただ、IWBのように、決済だけに特化しても、決して危なくはない。
9.円のアジア通貨について
東南アジアの貿易のウエイトは、日本よりもアメリカのほうが多いので円がアジア通貨になるのは難しいだろう。また、歴史的経緯から日本に対してアジア各国の人々は警戒している。そういったことも手伝って、4〜10年でアジア通貨ができる可能性は低い。
10.HPについて
『行動はするけど説明はしない』というのでは、国民の信頼は得られないので、広く知ってもらうためにHPを作った。結果、アクセス数は以前見学に来た人数よりはるかに多く、また、短観の結果を知るのにも大変効率がいい。日銀を身近に感じてもらうのにも役に立っている。
11.銀行員の知らない部屋はあるのか?
入ったことのない部屋はいっぱいあるし、お化けがでるといううわさの部屋もある。