明治非線型数理セミナー

2011年度までRDSセミナーとして開催してきたセミナーを,2012年度は明治非線型数理セミナー(キックオフイヤー)として開催しました.2013年4月に総合数理学部現象数理学科が開設され,ここに,新たな気持ちで明治非線型数理セミナーをスタートしていきます.理工学部数学科と2学科協働で新たな非線型数理のあり方を模索しながら情報発信していく所存です.場所は,中野キャンパスと生田キャンパスの両方を使用予定です.

生田キャンパスへのアクセス (Access to Ikuta campus) / Ikuta campus map
中野キャンパスへのアクセス (Access to Nakano campus) / Nakano campus map

2016.5.23 (月) 16:30〜17:30@中野キャンパス6階研究セミナー室3
2016年度第1回明治非線型数理セミナー
講演者: 村川秀樹 (九州大学大学院数理学研究院)
『細胞接着と細胞選別現象の解明に向けて』
概要:細胞同士,または細胞と細胞外基質が接着する現象は細胞接着と呼ばれる. また,生体内で各細胞がその機能を発揮するために適切な場所に移動し,適切な構造を形成する現象は細胞選別と呼ばれている. これらの現象は,個体発生時の臓器形成や,成体の組織細胞における機能協調,組織の再構築に関わる非常に重要な現象として, 細胞生物学や発生生物学などの分野において活発に研究がおこなわれている.その一方で, 数理的観点からの研究は十分になされているとは言い難い.本講演では細胞接着・細胞選別現象に関する実験結果の紹介, それらの現象を記述するモデルの導出,およびその基礎的な解析結果についての報告を行う. 本講演内容は富樫英氏(神戸大学),若狭徹氏(九州工業大学)との共同研究に基づくものである.

2016.2.1 (月) 15:30〜17:40(途中10分休憩)@中野キャンパス6階研究セミナー室3
第12-13回明治非線型数理セミナー
講演者1: 物部治徳 (明治大学) 15:30〜16:30
『Isolated traveling waves of the curve shortening flow with external driving force』
概要:Curve shortening equations have been studied for many years. In this talk we consider the curve shortening equation with external driving force depending on the normal vector. For the curve shortening equation, there is a traveling wave which is so called grim reaper. For the case where the constant driving force, the existence of V-shaped traveling waves is also known. These examples are constructed in the whole space and are unbounded. In this talk, for the case where the external driving force depends on the normal vector, we characterize the property for the existence and non-existence of traveling waves composed of Jordan curve. Finally, we introduce the application to a free boundary problem. This is a joint work with Professor Hirokazu Ninomiya (Meiji University).
講演者2: Yuan Lou (The Ohio State University) 16:40〜17:40
『Evolution of diffusion in a mutation-selection model』
概要:We consider a mutation-selection model of a population structured by the spatial variables and a trait variable which is the diffusion rate. Competition for resource is local in spatial variables, but nonlocal in trait. We show that in the limit of small mutation rate, steady state solutions remain regular in the spatial variables and yet concentrates in the trait variable and forms a Dirac mass supported at the lowest diffusion rate. This is a joint work with Professor King-Yeung Lam (Ohio State University).

2016.1.28 (木) 16:30〜17:30@中野キャンパス6階研究セミナー室3
第11回明治非線型数理セミナー
講演者: Danielle Hilhorst (Paris-Sud University)
『On the nonlocal Allen-Cahn equation』
概要:We study the nonlocal ordinary differential equation which one obtains by neglecting the diffusion term in a nonlocal reaction-diffusion equation with mass conservation, which was originally proposed by Rubinstein and Sternberg as a model for phase separation in a binary mixture. We present a new method based upon rearrangement theory and the study of the solution profile. We show that the solution stabilizes for large times and give a detailed characterization of its asymptotic limit as t tends to infinity. In the general case, it turns out that the limiting function is a step function, which takes at most two values. We also show by means of a nontrivial counterexample that, when a certain hypothesis on the initial function does not hold, the limiting function may take three values. This is joint work with Hiroshi Matano, Thanh Nam Nguyen and Hendrik Weber.
注: 本セミナーは「MIMS seminar (organized by Toshiyuki Ogawa and Masayasu Mimura)」と共催です.

2016.1.12 (火) 14:40〜16:50(途中10分休憩)@中野キャンパス6階研究セミナー室3
第9-10回明治非線型数理セミナー
講演者1: 森洋一朗 (ミネソタ大学) 14:40〜15:40
『Bidomain モデルにおける平面波の安定性』
概要:Bidomain モデルは心臓の電気活動の伝播を記述する基礎方程式であるが,その解の定性的挙動について解析的に知られていることは少ない. 本講演では,空間2次元Bidomain Allen-Cahn 方程式について調べる. Bidomain Allen-Cahn方程式とは数学的にはAllen-Cahn方程式におけるラプラシアンを表象が2次同次式であるようなフーリエ掛け算作用素(Bidomain 作用素)に置き換えたものである. Allen-Cahn方程式と同様,Bidomain Allen-Cahn方程式も全方向に平面波解を有する.俣野博氏(東京大学)との共同研究でAllen-Cahn方程式の平面波とは異なり, Bidomain Allen-Cahn方程式の平面波解は不安定になることがあることがわかった. まずBidomain作用素の表象から定義されるFrank 図形の凸性が崩れると長波長の摂動に対して平面波が不安定になることを示す. さらに,Frank図形の凸性が崩れていなくても非線形項の形状によっては平面波が中波長の摂動に対して不安定化しうることを解説する.
注: 第9回セミナーは明治大学大学院先端数理科学研究科特別講義と共催です.
講演者2: 谷文之 (明治大学) 15:50〜16:50
『Hele-Shaw問題における境界条件』
概要:Hele-Shaw問題は,2次元的な界面成長現象に対する自由境界問題として以前から研究が行われており,特にsource/sinkが存在する場合の界面の安定性が主要な関心となっていた. 本セミナーでは,Hele-Shaw問題に関する講演者のこれまでの研究から,従来の境界条件に代わり,物理的により適切と考えられる境界条件を課した場合の弱非線形安定性解析の結果を紹介する.
注: なお,17:00-17:50に自己組織化セミナーも予定されていますので,是非ご参加下さい.

2015.11.19 (木) 15:30〜17:40(途中10分休憩)@中野キャンパス6階研究セミナー室3
2015.11.20 (金) 13:00〜15:10(途中10分休憩)@中野キャンパス6階研究セミナー室3
第7-8回明治非線型数理セミナー
講演者: Wei-Ming Ni (ミネソタ大学,華東師範大学)
『Interaction of Diffusion and Spatial Heterogeneity in Lotka-Volterra Competition (I) and (II)』
概要:Using Lotka-Volterra competiton-diffusion system, we shall illustrate the joint effect of spatial heterogeneity and diffusion on population dynamics. In the first lecture, I will give an overview of the complete dynamics my collaborators and I have been able to obtain, and in the second lecture, I will demonstrate the existing and new ideas involved by presenting some proofs.

2015.9.7 (月) 16:30〜17:30@生田キャンパスA301
第6回明治非線型数理セミナー
講演者: 宮本安人 (東京大学)
『ソボレフ優臨界の非線形項を持つノイマン問題の正値球対称解の構造について』
概要:偏微分方程式ε^2△u-u+u^p=0は,物理学,生物学,微分幾何学などに現れる基礎的な偏微分方程式であり,約30年にわたる研究の歴史がある. その多くは,変分法が適用できる劣臨界における結果である. 講演では,優臨界の場合の球領域における正値球対称解の分岐構造を解説し,劣臨界や臨界の場合の分岐構造と比較することによって,優臨界特有の現象を考察する.
注: 講演者は,7日〜9日の間,同部屋で連日10:00より理工学研究科の集中講義をおこなっています.

2015.8.6 (木) 15:30〜17:30@中野キャンパス6階研究セミナー室3
第4-5回明治非線型数理セミナー
講演者1: 兼子裕大 (早稲田大学) 15:30〜16:20
『個体拡散を表す反応拡散方程式の自由境界問題について』
概要:Du-Lin(2010)によって提唱された生物個体の拡散・侵入をモデルとする自由境界問題について考える.講演では,これまでの研究の進展について簡単に説明するとともに,多次元球対称領域の問題について,最新成果を紹介する.講演内容は,山田義雄教授(早稲田大学)との共同研究に基づいている.
講演者2: 菅徹 (東京工業大学) 16:40〜17:30
『時間依存特異点を持つ半線形放物型方程式の解について』
概要:べき乗型非線形項を(典型的な例として)持つ半線形放物型方程式に対し,時間依存特異点を持つ解を考察する.ただし時間依存特異点とは,空間変数に関する特異点で,その位置が時刻変数に依存するようなものをいう.本講演では,非線形項のべきの指数がある値より小さい場合を考察し,時間依存特異点を持つ解の存在と特異性の強さについて議論する.本講演は高橋仁氏(東京工業大学)との共同研究に基づく.

2015.6.11 (木) 16:30〜17:30@中野キャンパス6階研究セミナー室3
第3回明治非線型数理セミナー
講演者: 藤嶋陽平 (静岡大学)
『On the effect of higher order derivatives of initial data on the blow-up set for a semilinear heat equation』
概要:本講演では十分に大きな初期値を持つ半線形熱方程式の爆発問題,特に爆発集合の位置の特徴付けについて考察する.初期値が十分に大きな場合,解は初期値の最大点の近くでのみ爆発することが知られている.さらに,最大点が複数点存在する場合には初期関数の最大点におけるラプラシアンの値を比べることにより爆発集合の位置が特徴付けられる.本講演では,初期値が最大点を複数点持つが,それらの最大点におけるラプラシアンの値が一致する場合を考察する.その際,ある特別な型の大きな初期値を考えると,初期関数の高階微分の効果が爆発集合の位置の特徴付けに現れることを紹介する.

2015.5.20 (水) 16:30〜17:30,17:40-18:40@中野キャンパス6階研究セミナー室3
2015.5.21 (木) 16:30〜17:30,17:40-18:40@中野キャンパス6階研究セミナー室3
明治非線型数理 lecture series
講演者:
坂元国望
(広島大学)
『Turing パターン間を結ぶ遷移解とそのスペクトル安定性』
概要:反応拡散系を1次元全空間において考えるとき,空間無限遠で一様状態に漸近し時間の経過と共に波形を変えずに一定速度で進行する非自明解は、進行波解と呼ばれ, その存在や安定性に関して多くの研究がなされてきた.そのような解の一つの自然な一般化として,本講演では, 空間無限遠で時空間非一様な状態(Turing パターン)に漸近する進行波のような解(遷移解)が, 「どのような状況で存在するのか」,「存在する場合にその安定性については何が言えるのか」, 等に関してSandstede-Scheelの仕事を中心に解説する. 漸近状態におけるスペクトル構造と遷移解の本質的スペクトルの関係を明らかにすることが,理論構成の大きな鍵であり,特に, 連続体として虚軸と交わり得る本質的スペクトルの存在に起因する技術的な困難を「空間ダイナミクス」の方法によって克服する方法を判り易く解説したい.

前年度までの明治非線型数理セミナー


このセミナーは,
・科研費基盤研究(B)「反応拡散系および自由境界問題の解のパターンダイナミクスの解明」(研究代表者・二宮広和)
・科研費基盤研究(B)「雪氷現象に現れる移動境界問題の数理解析」(研究代表者・矢崎成俊)
の補助を受けています.


世話人
 近藤信太郎,山本宏子 (明治大学先端数理科学インスティテュート)
組織委員
 坂元孝志,名和範人,矢崎成俊,渡辺浩 (明治大学理工学部数学科)
 上山大信,小川知之,二宮広和 (明治大学総合数理学部現象数理学科)